新しい出会いが増え、他人に優しくなれた
その結果、半分近くの患者が総合点で「ポジティブ」であることがわかった。しかも、ポジティブの度合いは、軽度認知障害と診断された人より初期の認知症と診断された人の方が高かった。病気をより真正面から受け止めたからのようだ。特に次の面でポジティブだったという。
(1)自分の人生の価値を理解し、人生を受容する。
(2)失敗を以前より恐れない。
(3)以前より、物事を深く考えるようになり、他人に寛容になる。
(4)人生の諸問題から逃げずに、向き合えるようになる。
(5)人間関係が広がり、新しい出会いが増える。
研究チームのグレゴリー・ミーシャ教授は「認知症と診断されると、ショックを受けてマイナス効果を与えるとばかり思っていたので、ポジティブに受け止める人が半分もいることは意外な結果でした。ポジティブになれる人とネガティブになる人とどこが違うのか、それが分かれば認知症の治療に大いに役立つと思います」とコメントしている。