日銀追加緩和は有害なのか、現実的なのか 各紙「社説」の評価がバラバラ

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日経「現実的な判断といえる」

   「産経」は、「日銀が、経済対策を講じる政府との協調を強める必要はあろう」と一般論では言いつつ、今回の決定には「政府や市場の緩和圧力に応じざるを得なかったためだとみるほかない」と批判的でもあるが、「『バズーカ』と評されるような本格的な政策を9月の次回会合以降に温存したい思惑もあったのだろう」と書き、むしろ秋以降の大規模な追加緩和に期待する姿勢といえそうだ。

   これに対して「日経」は、「効果と副作用を踏まえ、緩和策をどこまで進められるのか、丹念に検証すべきだ」と、大規模緩和のマイナス面を指摘しつつも、「東証株価と連動するETFの買い入れ増は市場安定に一定の効果があろう」「マイナス金利の拡大を強行すれば、金融機関の収益悪化の懸念で株価下落を招きかねない。緩和策は現実的な判断といえる」と、基本的に今回の決定への支持を鮮明にしている。

   「読売」は全体に「緩い」書きぶりで、英国民投票後の金融市場の混乱が「ひとまず沈静化している」と、現時点の緩和の必要に疑問を示しつつ、政府との協調や市場の期待の高まりといった状況を踏まえ、「日銀として『ゼロ回答』は避けた方が良いと判断したのだろう」と、日銀の胸の内を推察。市場への「サプライズ」で政策を動かしてきた黒田総裁に対し「今後は......より丁寧に市場と対話を重ねていくことが求められよう」と注文するにとどめている。

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