ジカ熱を防ぐ6種類の抗体を、マウスを用いた実験によって発見したとする論文を、米ワシントン大学の研究グループが2016年7月27日、米科学誌「セル」(電子版)に掲載した。
発表論文によると、ジカウイルスはアフリカ、アジア、アメリカ系統があるが、発見した6つの抗体のうち4つは、これら3系統のウイルスの感染を無効化したという。他の2つの抗体は、十分ではなかったものの感染を抑制した。
6つの抗体はジカウイルスにのみ作用したため、ジカ熱の診断に使用できると考えられる。また、ジカ熱予防ワクチンの開発につながると期待されている。
ジカ熱は蚊に刺されることで感染する。軽度の発熱や発疹が出て1週間程度で治る場合が多いが、妊娠中の女性が感染すると、出産時に新生児が生まれつき脳の小さい「小頭症」になる恐れがある。