初潮と閉経(更年期)が遅い女性は90歳まで長生きしやすいという研究がまとまった。
米カリフォルニア大学サンディエゴ大学のチームが、米の更年期障害専門誌「Menopause」(電子版)の2016年7月27日号に発表した。それによると、(1)初潮年齢が12歳以降(2)閉経が50歳以降(3)生殖可能期間が40年超という3つの条件が長生きの秘訣だ。
初潮と更年期が遅い人ほど長生きしやすい
研究チームは、1993~1998年の調査開始時に平均年齢75歳だった女性1万6251人の女性を対象に、2014年まで21年間追跡調査した。そのうち8892人(55%)が90歳以上まで長生きした。彼女たちの初潮年齢と閉経年齢を調べた結果、次の3つの条件を満たす女性が90歳まで長生きしやすいことがわかった(カッコ内は、90歳未満で死亡したに比べ、それぞれの条件が90歳以上まで長生きさせた割合だ)。
(1)初潮が訪れる年齢が12歳以降であること(9%増)
(2)閉経が訪れる年齢が50歳以降であること(19%増)
(3)生殖能力がある期間が40年以上であること(13%増)
この3つを満たしていると、90歳以上長生きする割合が非常に高くなるという。それにしても、なぜ初潮と更年期の遅い女性が長生きするのだろうか。研究チームのアラジン・シャジャーブ教授はこう説明している。
「過去の研究では、初潮の早い女性は思春期肥満になりやすく、成人後も心血管疾患や乳がんなどのリスクが高くなることがわかっています。また、閉経が早いと心臓病や脳卒中のリスクが高まります。女性の健康全般を守っている女性ホルモンの分泌が減るからです。ですから、初潮と閉経が遅く、なおかつ女性ホルモンに守られている期間が長い人ほど健康でいられるのです」