「なぜ世の中には、感動・頑張る障害者像があふれるのか」――。NHKのEテレの障害者情報バラエティー番組「バリバラ」の2016年8月28日の放送内容が、インターネット上で「日本テレビに対する挑戦状だ」などと話題を呼んでいる。
メディアなどで描かれる「感動的な障害者像」に疑問を投げかける特集を、日テレ系のチャリティー番組「24時間テレビ『愛は地球を救う』」の裏番組として生放送するためだ。こうした放送内容をめぐっては、障害者団体からも「同じ疑問は私達も抱いていた」として、「どう取り上げるのかとても興味深い」との声が上がる。
8月28日に生放送同士で「対決」
障害者の性や笑いなど、これまでタブー視されてきたテーマに果敢に切り込んできた「バリバラ」。メディアが伝える「一生懸命頑張っている」といった画一的な障害者像に対するアンチテーゼとして始まった番組で、障害者の姿を等身大に伝えることが大きなテーマになっている。
8月28日の放送では「検証!『障害者×感動』の方程式」と題し、メディアで取り上げられる「感動的な障害者像」について、改めて生放送で検証する。番組公式サイトに掲載された紹介文によれば、
「障害者を描くのに感動は必須か?」
「チャリティー以外の番組に障害者が出演する方法は?」
といった問題をめぐり、障害のある当事者を交えてスタジオで生討論。ツイッターで視聴者からも意見を募集しつつ、「みんなで『障害者の描き方』を考える」という。
こうしたテーマの特集を、「障害者が努力する姿を感動的に取り上げる」企画が目立つ24時間テレビの裏に生放送するとあって、ネット上では「日テレに宣戦布告したな」「挑戦的な企画」などと大きな話題を集めることになった。ツイッターやネット掲示板には、
「このテーマを24時間テレビの真裏にぶつけるの最高にカッコいいと思います」
「バリバラが伝えたいのはきれいごとじゃなくて普通の人間像」
「どこぞのテレビ局の感動のフィナーレに差し掛かってるところにこれをぶつけてくるのが凄い」
といった声が相次いで寄せられている。そのほか、障害者とみられるネットユーザーからも、「24時間TVみたいな障害者像には違和感もっていた」「まるで俺のために用意してくれたテーマ」などと好意的な反応が出ていた。