元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏が2016年7月31日夜、東京都知事選の特別番組に出演し、知事在職時代を振り返りながら自民党東京都連への批判を繰り広げ、都知事への当選を確実にした小池百合子・元防衛相に対して「戦争になると思う」と激励した。
自身が都知事在職時代の都議会与党への強い「恨み」が伝わる発言に、ネット上の反応は「よくやった」「言い訳にしか見えない」と賛否両論が巻き起こっている。
在職中は「ボス政治にぶちあたった」
猪瀬氏は、報道番組「池上彰のニッポンの大問題~都知事選スペシャル~」(テレビ東京)「都連の闇を暴き立てる」といったコーナーで登場。開口一番、内田茂・都連幹事長を念頭に、「(都知事の在職中は)ボス政治にぶち当たった」と苦い顔で語った。
池上さんから「都知事の間そういうこと言いませんでしたよね」と返されると、
「どこのメディアも雑誌も取り上げてくれない。でも今回、ネットでアピールしたら広がった。今回はネットの力がかなりのウエイトを占めた」
と振り返った。
猪瀬氏はここ1か月ほど、都連・都議会の問題に関する発言をツイッターで繰り返している。7月5日には「僕は知事選の際、自民の推薦をもらっていない。都連は選挙ポスターを突き返してきた」と明かした。
13日にはニュースサイト「News Picks」に「猪瀬直樹が語る『東京のガン』」と題するインタビュー記事を投稿。ある自民党都議が11年7月1日に自殺した原因を「内田氏にあります」などと「暴露」した。さらに、同日のツイッターで「(都議は)内田茂幹事長の陰湿ないじめに耐えられず自殺」と当時の状況を明かし、都議の「遺書」とされる文書の写真も合わせて公開した。
31日の番組内で飛び出した猪瀬氏の発言は、こうしたネット上での発言に沿ったもので、小池百合子・元防衛相との会話では、自民都連を念頭に「戦争になるかと思いますので頑張ってください」とエールを送った。
ただ、視聴者の反応は賛否両論で、ツイッターには
「これは猪瀬よくやったと思う」
「猪瀬氏のぶっちゃけが特に良かった」
と応援する声が上がる一方で、
「今さら何を言っても言い訳にしか見えない」
「今、猪瀬さんは必要ない」
と批判する声も寄せられている。