2016年7月31日投開票の東京都知事選で小池百合子元防衛相(64)が当選を確実にしたことを受け、元総務相の増田寛也氏(64)を推薦した自民党東京都連の内田茂幹事長は報道陣の前で「完敗でしょうね」と感想を語った。当の小池氏は当面、自民党からの離党は検討しない考えを表明した。
「保守分裂選挙」を招いた末に敗北した自民党都連の下村博文会長代行(総裁特別補佐)も、テレビ東京の番組の中で「私を含めて責任について考える必要がある」と都連執行部の責任論に言及した。一方、小池氏の党員としての処分については、党本部の党紀委員会で検討が進むとの見通しを示した。都連会長の石原伸晃経済再生担当相は「都民の皆様方のためにしっかりと仕事をしていきたい」と述べ、責任論には言及しないまま増田氏の事務所を後にした。
下村氏「知事としては是々非々、党所属の国会議員としては党紀委員会で議題に」
都連は増田寛也元総務相(64)を擁立したが、小池氏に大幅なリードを許す形で敗北した。下村氏はTOKYO MXの選挙特番の中で、
「知事に対しては是々非々。組織には組織の論理があるので、党の党紀委員会で今後、小池さん、あるいは小池さんを応援した議員に対しては、党紀委員会として、これから議題にのぼると思う」
などとして、「知事」と「党所属の国会議員」とで対応を切り分けたい考え。テレビ東京の番組でも、下村氏は同様の方針を述べ、自民党側の責任論については、
「私を含めて責任について考える必要がある」
と述べた。内田氏も報道陣の質問に、
「みんな責任を感じているんじゃないか。みんなで決めたことだから」
と、自らのも責任の一端があるとの見方を示した。ただ、小池氏の処分についての質問には答えないまま、もみくちゃになりながら迎えの車に乗り込んだ。
小池氏「自民党側の結論を待ちたい」
一方の小池氏はTOKYO MXの番組で、
「自民党を辞めて小池新党をつくる判断はないのか」
という質問に、
「現時点ではその考えはない。これから議会において、色々な議員と接することになる。私自身も存じ上げていることだが、自民党の中にも本当に改革派を目指している議員の方々が沢山おられる」
などとして離党や新党の立ち上げを否定。
「自分から離党する考えはなのか」
と念を押されたが、小池氏は
「これについては(自民党側の)結論を待ちたいと思う。判断の材料を預けているところ」
と、述べるにとどめた。