脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の総称)は、がん、心臓病、肺炎に次いで日本人の死因の第4位だ。しかも、たとえ命が助かっても重い後遺症が残り、寝たきり状態になる原因の3割以上を占める恐ろしい病気である。
その脳卒中の9割は予防できることがカナダ・マクマスター大学の研究でわかり、英医学誌「ランセット」(電子版)の2016年7月15日号に発表された。
食事、喫煙、ストレスにも注意
研究チームは世界32か国の脳卒中患者2万6919人の症例を詳しく分析、脳卒中になった原因(危険因子)を調べた。その結果、「遺伝性」など本人が努力しても予防できない因子を除いた、生活習慣などから生まれる10個の危険因子を見つけ、それぞれの危険度を計算した。それらをすべて排除すれば脳卒中の発症リスクを90.7%減らすことができるという。
10個のうち一番危険度が高いのは高血圧だ。10個の危険因子と、それを排除した場合、どれだけ発症リスクを下げられるかは以下のとおりだ(カッコ内がそれ1つを排除した場合に低下する発症リスク)。
(1)高血圧(48%)
(2)運動不足(36%)
(3)高い血中脂質(27%)
(4)質の悪い食事(23%)
(5)肥満(19%)
(6)喫煙(12%)
(7)心疾患の持病(9%)
(8)ストレス(6%)
(9)飲酒(6%)
(10)糖尿病の持病(4%)