「安倍政権の言いなり」経団連 会長への冷ややかな視線

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「(また)賃上げと言われても...」

   こうした中、安倍政権は経済界への要求を一段と強めている。石原伸晃・経済再生担当相は6月2日の経団連の総会で、「賃上げは4巡目、5巡目が重要だ」と来(17)年以降の春闘に向けて早くもプレッシャーをかけた。

   これはさすがに経済界には面白くない。年明け以降、世界経済の先行き不透明感が強まり、為替相場は円高に傾いた。企業収益の減少が見込まれる中で「賃上げと言われても...」(大手メーカー幹部)と不満がくすぶる。

   この不満は、安倍政権の方針に従順な榊原会長にもそのまま跳ね返り、日銀が導入したマイナス金利政策の影響で収益減少が確実な銀行業界からは「アベノミクスは修正が必要。榊原会長は安倍政権に対して、おかしい点はおかしいとはっきり言うべきだ」(銀行幹部)と批判が噴き出している。

   かつては「財界総理」として政権にもの申し、存在感を発揮してきた経団連会長。物言わぬ現在の経団連の存在感の低下は否めず、7月に行われた恒例の夏季セミナーも、新聞記事などでの取り上げられ方は低調だった。政権との融和を最優先し、さらに存在意義が薄れていくのか。榊原会長の3年目のスタンスが注目される。

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