「何が起こったか全然わからない」
そうしたなか、7月29日の東京外国為替市場は、ドル円相場が朝から不安定な動きとなった。ブルームバーグは同日朝、円が全面高となり、「対ドルでは一時1ドル103円41銭と、(7月)12日以来の高値を付けた」と報じた。
それによれば、ドル円相場は7時30分すぎから数分程度の間に、105円20銭台から2円近く円高が進行。その後の8時20分ごろには104円 90銭前後に値を戻したという。突然のドル円の急落については、「何が起こったか全然わからない。この動きを見ると誤発注っぽい。ケタを間違えて売ってしまって、気がついて急いで買い戻している感じ」との、外為取引企業FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストのコメントを紹介している。
日銀の決定会合を控えて薄商いになっていたため、わずかな売買の変化でも相場は大きく上下に振れやすい状況にあった。
その後、ドル円相場は、2016年7月29日正午時点で104円61~63銭と、前日17時(104円68~69銭)と比べて小幅なドル安円高で推移していた。しかし、日銀の追加緩和の決定発表(12時44分)前後は、円は一時1ドル105円台後半まで急落した後、追加緩和の内容がETFの増額にとどまると、今度は円は一転して買い戻しが膨らみ、1ドル102円83銭近辺に急伸。再び高値を付けた。17時すぎは、103円半ばで取引されるなど、ジェットコースターのような乱高下になっている。