犯罪予告者に「GPS埋め込みを」 山東昭子氏の発言に賛否

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   神奈川県相模原市の障害者19人刺殺事件を受けて、自民党の山東昭子元参議院副議長(74)が「犯罪予告者にもGPSを埋め込むことを検討すべき」と発言した。GPSを使って位置を把握し、犯罪を未然に防ぐ目的だが、前科がなくてもという前提だけに、ネット上で大きな論議になっている。

   「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」。報道によると、植松聖(さとし)容疑者(26)は、衆議院議長に大量殺りくを予告したり、施設で入所者の安楽死を求めたりして2016年2月に措置入院したとき、診察した医師にこう話していたという。

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「人権という美名の下に犯罪が横行している」

   ヒトラーと言えば、ナチス・ドイツ支配下で障害者の大量虐殺を行った歴史がある。そして、植松容疑者は、夜勤を狙って職員を縛り上げるとした予告通り、7月26日未明に犯行に及んでいた。

   精神の病が癒されて退院していたとしても、何らかのきっかけで再び「思想」が目覚めた可能性があるわけだ。

   これに対し、山東氏は、自ら率いる自民党派閥の会合で28日、「ストーカーもそうですが、人権という美名の下に犯罪が横行している」と独自の主張をした。加害者の人権も守ろうとする余り、プライバシーを過度に重んじて、再犯の余地を与えているという意味らしい。

   そして、山東氏は、次のように問題提起した。

「私どもも、法律をきちんと作って、そして犯罪をほのめかした、主張した人物については、何らかの形で、性犯罪者もそうでございますけれども、GPSを埋め込むようなこと、何がいいのか、もちろんこれから議論すべきだと思いますけれども」

   自らのフェイスブックでもこの日、「再発防止に向けて、精神疾患のある措置入院の元患者に対しては、社会の監視を継続、場合によっては強化を考える時にきていると思わざるを得ません」とつづった。

「つけるのは難しい」「いいアイディアだ」

   性犯罪者については、再犯率が高いとして、アメリカやフランスなどでGPSの装置を着用させる制度がある。

   日本でも、宮城県が2011年にGPSの携帯を義務付ける条例制定を目指したが、新たな刑罰を科すことになると反対も出るなどして、その後に見送られた。政府も、11年6月の答弁書で「さまざまな観点からの慎重な検討が必要だ」とし、検討課題に留まっているのが現状だ。

   犯罪予告者にもGPSをと提唱した山東氏の発言について、ツイッターやネット掲示板では、異論や賛成意見が出ている。異論としては特に、前科のない人について、

「ほのめかすってだけでつけるのは難しい」

との意見があり、逃げるつもりがない加害者には抑制効果も期待できないとして、

「今回の事件は監視下に置いても防げなかったと思う」

との指摘があった。また、

「法の整備の問題じゃなくて、そんな人格が育ってしまう環境が問題では?」

といった声も出ている。

   一方、山東氏の提案に賛同する向きも多い。

「それは実にいいアイディアだ」
「外せない錠みたいなのでGPSを足か手に装着する程度のは認められてもいい」
「再犯率が高い麻薬や性犯罪で前科がついてる人につけるのはあり」

といった意見が書き込まれている。

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