じゃがいもを丸ごと「ところてん」方式でカットする
藤井氏はさらに、マックフライポテトの主な原料の1つになっている「ラセットバーバンク」というじゃがいもの特徴についても「芋のサイズが大きくて、火を通した際の『ホクホク感』がウリの品種になりますね」と解説した。
また、じゃがいもを潰して成型するのではなく、丸ごと1つを「ところてん」のように押し出す方法でカットするという加工手法についても、
「芋をマッシュポテト状にすり潰してしまうと、揚げた際に中身がスカスカになってしまうんです。外側がカリカリでなおかつ中身がしっとりした食感を実現するためには、カットした芋を使わないとダメなんです」
として、ポテトの「おいしさ」を支える重要なポイントだと説明していた。
続いて藤井氏が注目したのは、ポテトを揚げる際に使う「油」だ。「揚げ物にとって油は命です」と断言する藤井氏によれば、「同じ材料を使っていても、揚げる際の油によって味は全然変わってくる」のだという。
マクドナルドがポテトを揚げる際に使用している「牛脂とパーム油のブレンド油」の特徴については、
「ポテトは細い形状ですので、油が染み込んでしまうとギトギト感が出てしまうんです。その点、パーム油は油切れが良くてカリッと揚がるのが特徴です。これに牛脂をブレンドすることで、『うまみ』を足しているのではないでしょうか」
と分析した。
また、マクドナルドの店舗では酸化測定を毎日実施しており、その基準に厳密に従って油を交換している。藤井氏はこの点についても、「油の品質を保つための管理を徹底している点も、ポテトの商品価値を保っている『こだわり』に当たるでしょう」と感心していた。