プロのストリッパーが最もチップを稼ぐ体の周期
ミラー教授は、地元の複数のナイトクラブで働くダンサーたちの協力を得て、ラップダンスから得るチップの額と彼女たちの排卵周期を照らし合わせ、相関関係にあることを発見した。彼女たちが一番稼ぐのは「排卵期」で、1時間当たり約70ドル(7420円)のチップを得ていたのに対し、月経期にはその半分の約35ドル(3710円)しか得ていなかった。そのどちらでもない時期は約50ドル(5300円)だった。やはり、妊娠可能の「排卵期」には、男性の心をそそる何らかのサインが出ていだのだ。
また、ミラー教授はピル(経口避妊薬)の服用がチップ額に与える影響も調べた。結果はドンピシャリだった。ピルを服用しているダンサーは、全周期の平均で1時間あたり約37ドル(3920円)のチップを得ているのに対し、服用していない人は約53ドル(5620円)も稼いでいた。ピルを服用すると、妊娠中と同じホルモンバランスになるため、男性から見ると、ソノ気にさせる対象ではなくなるようだ。ピルを飲んでいるダンサーは、年間数千ドルも損をしていることになる。
この結果についてミラー教授はこう語っている。
「ダンサーは男性客に対し、いつも最大限に魅力を売っているはずですが、体の周期によって微妙にニオイや表情、口調、ウエスト・ヒップ比、そしてダンスそのものまで変わってしまいます。男性客にもその微妙な差が伝わるのでしょう。どんなサービス産業でも、女性従業員に最大限のチップを獲得させたければ、排卵期に勤務時間を多く割り当てるようにするとよいでしょう」
ちなみに、このダンサーのチップの調査は、人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究に与えられる「イグノーベル賞」(2008年度)を獲得している。