東京都知事選の候補者有志が2016年7月27日、東京・渋谷の自由報道協会で共同記者会見を開き、「偏向報道の是正」を求める要求書を放送倫理 ・番組向上機構(BPO)と民放4社に送付したと発表した。
会見に出席した元ジャーナリストの上杉隆氏は、民放各社の報道姿勢を「放送法違反」と指摘。「あらゆる手段を用いて不当性を訴えていく」と力強い言葉も出た。だが一方で、候補者の「ドタキャン」「遅刻」「途中退席」が続出するなど、会見は終始、混乱が漂う内容。こうした姿には、記者から「これで本気だといえるのか?」という質問も飛んでいた。
「『主要3候補』でない18人の放送時間は3%」との調査
上杉氏によれば、今回はBPOと在京の民放4社(日本テレビ、TBS、テレビ朝日、フジテレビジョン)に「偏向報道の是正」に関する要求書を送付したという。そのきっかけは、幸福実現党が実施した調査で、
「『主要3候補』でない18人の放送時間は3%」(NHKを除く、7月18~22日の各局ニュース番組を対象とした調査)
との結果が出たことにあるという。上杉氏は、「こんなにひどい偏向だったのかと知り、きちんとした対応をせざるを得ないことになりました」と説明していた。
こうしたテレビ各社の報道内容については、幸福実現党広報本部長の七海ひろこ氏も「マスコミに黙殺されるというのはどういうものかと身を持って感じた。恐ろしさすら感じています」などと話していた。
会場で配布された要求書では、民放4社の報道が「政治的に公平であること」を求めた放送法第4条第1項第2号などに抵触する可能性があると指摘。その上で、「政治的公平性を欠く報道を継続するのであれば、(中略)あらゆる手段を用いて(中略)不当性を訴えていく」とも綴っている。
上杉氏は、
「(今回の問題は)候補者が選挙中に時間を使って主張するものではないでしょう。都政には関係ないですし、メディアが自ら正すのが普通です」
と会見に出席した報道陣に向けて語っていた。