東京都知事選(2016年7月31日投開票)をめぐり、「石原親子」が元防衛相の小池百合子氏(64)への攻撃を強めている。東京都の石原慎太郎元知事(83)は小池氏を「大年増の厚化粧」と罵倒し、長男で自民党東京都連会長の石原伸晃経済再生担当相(59)は「小池候補は自民党の人間ではない!」と声を張り上げた。
この発言は、都連が推薦する元総務相の増田寛也氏(64)の決起集会の中で出た。小池陣営の反応は激しく、応援に立った若狭勝衆院議員(59)が「非常に僕は今、悲しい」と選挙カーの上で涙を流し、小池氏は「我々はそういうの慣れてる」と応じた。年配の女性からの反発もあり、石原親子の発言が逆に小池陣営に有利に働く形になっている。
「行政手腕を発揮した増田さんに任せないと」
7月26日午後に自民党本部で開かれた増田氏の決起集会では、伸晃氏が
「(小池氏が自分で)推薦届(推薦願)をお取り下げになられた。私はそのときをもって、また今日をもって、小池候補は自民党の人間ではない!私はこのように思っております」
と声を張り上げたかと思えば、慎太郎氏は
「大年増の厚化粧がいるんだな、これが。これはね。困ったもんでね...」
などと小池氏を批判。
「そこに私の息子もいて苦労してるけど、都連の会合に1回も出てこずにね、『都連はブラックボックスだ』なんて聞いたようなこと言っちゃいけないんだよ」
「とにかく岩手県で行政手腕を発揮した増田さんに任せないとね、やっぱり厚化粧の女に任せるわけにはいかないね、これは」
などと小池氏をけなしながら、増田氏への支援を呼びかけると、会場からは大きな笑い声が起こっていた。
小池氏「我々はそういうの慣れてるんです」
小池陣営の反応は素早かった。発言から数時間後の7月26日夜にJR十条駅前で行った街頭演説で、自民党の若狭勝衆院議員は選挙カーの上で
「非常に僕は今、悲しい」
と言ったきり、20秒以上絶句。
「日本社会を考える上において、そういう言葉が簡単に言われてしまって簡単に許されるということだと、ぼくは本当に日本社会って暗いなって思う。女性が輝くなんてあったもんじゃない。僕は許せない」
などと涙を流しながら言葉を絞り出した。これを受ける形で小池氏は
「先ほど、若狭さんが男泣き。申し訳ないです、男泣かせちゃったんだから。本当に申し訳ない。というかね、我々はそういうの慣れてるんですよ、逆に。しょちゅうなんですよ、むちゃくちゃひどいこと言われるの」
「女は聞き分けがいい、使い勝手がいいなどということは絶対に思わせない」
と、むしろ「慎太郎発言」を利用して聴衆を沸かせていた。
こうした慎太郎氏の発言について、ネット上では、
「今この人が発言すると逆に小池さんにとって援護射撃になっていると見て良いんじゃないか?」
「人格を疑われるような悪口ばかりで、嫌気がした」
などと、女性に対する侮辱的な発言だという反発が目立っている。