金魚放流は「生態系に影響」と批判 「直後にすくう」行事、中止すべき?

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   金魚を川に放流し、網などですくってもらうイベントについて、主催者の大阪府泉佐野市観光協会がネット上で批判を受けて中止した。一方で、「過敏になりすぎてる」との意見もネット上では多く、論議になっている。

   ネットで批判が広がったのは、2016年7月14、15日にかけて、この16日のイベントを疑問視するツイートが次々に投稿されたからだ。一方で、30日にも同様のイベントが予定されており、中止にするのか予定通り実施するのか、注目を集めている。

  • 観光協会で告知していたが…
    観光協会で告知していたが…
  • 観光協会で告知していたが…

環境省などは「生態系には好ましくない」

   イベントは、観光名所になっている犬鳴山の渓流で、16、30両日にそれぞれ8000匹の金魚を放流し、家族連れらに金魚すくいを楽しんでもらうというもの。これに対し、ツイッターでは、「生態系に悪影響を与えるのでは」「金魚がかわいそうだ」といった内容の意見が寄せられ、いくつかのまとめサイトでも取り上げられた。

   観光協会の事務局がある泉佐野市まちの活性課によると、電話やメールでも批判があり、検討して16日のイベント中止を決めた。当日は、金魚を放流せずに、来場者に配って対応した。理由としては、まとめサイト「togetter」の閲覧数が数時間のうちに5万を超えるなどネットで情報が拡散し、メディア各社からの問い合わせも相次いで、残された時間も少ない中では慎重になるべきだと考えたことを挙げている。

   その後、環境省や大阪府に問い合わせをすると、法律に規制はないが、生態系には好ましくないとの回答があった。しかし、まちの活性課によると、放流直後に金魚すくいを行い、ほとんどを持ち帰ってもらっており、イベントを30年以上続けているが生態系に異常があったとの報告はないという。金魚すくいの場所を網などで囲ってはいないものの、逃げるのは数匹ほどではないか、ともいう。

   30日のイベントについては、どう対応するか検討しており、前日に決めたいとしている。

ネット上では、イベントに賛意の声も多く

   金魚の放流が生態系に影響を与えるというのは、どこまで本当なのだろうか。

   環境省の外来生物対策室では、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明する。

「もともとその川に棲む生き物に対して、悪い影響を与える可能性があります。放流された金魚がほかの魚と交雑して遺伝子が変わってくることや、ほかの魚が食べるエサを食べてしまうことなどです。病気が広がるのが一番怖いでしょう。金魚の放流について、規制する法律があるわけではないですが、望ましくありませんので控えてほしいと思っています。泉佐野市のイベントについては、どのような形で行われるか分かりませんので、何とも言えないですが、もし多くの金魚が川に残るようなら、良いこととは言えないでしょうね」

   イベントの中止が一部で報じられると、ネット上では、その是非を巡って論議になっている。

   「いささか配慮に欠けたイベント」「まぁこれは叩かれても仕方ない」といった声がある一方、目くじらを立てすぎという意見は多い。「問題が発生してないのならいいんじゃね」「問題は野放しにされてる外来種でしょ」「虐待とかいうなら、もう金魚すくいとかもムリ」といったものだ。

   泉佐野市まちの活性課によると、7月25日までに電話やメールで数十件の意見が寄せられている。当初はイベントを批判する声が多かったが、25日は理解を示す声の方が多くなっているという。

姉妹サイト