構造や機能の違いから脳を180の領域に分割した地図を、米ワシントン大学の神経科学者らが作成した。研究論文は2016年7月20日、英科学誌「ネイチャー」(電子版)に掲載された。
研究者らは地図作成にあたり、210人の健康な若者の脳データを収集。データを統合し、新たに97領域を特定した。既に特定されていた83領域と合わせ、脳を全部で180領域に分けることに成功した。
また、脳の各領域の大きさは210人それぞれで微妙に異なっていたことも分かった。認識能力や病気リスクに個人差が生じる原因となっている可能性があるという。
論文執筆者の一人は「国単位で明確な国境や独自の文化をもつのと同様に、新たに分かった97領域は構造的・機能的に明らかに異なっていた。研究を進め、各領域がつかさどる詳細な機能を解明していきたい」とコメントを残している。