道を歩いていると、知らない人からいきなりスマホを向けられ、「発見!」とか言って撮影された――ゲームアプリ「ポケモンGO」がリリースされて以降、こんなちょっとしたトラブルが相次いで報告されている。
スマホカメラを使い現実の風景の中に、ポケモンキャラが現れたように見える仕掛けの影響だ。ついには、ゲーム中の女性の「撮影」を巡るトラブルから逮捕者も出た。今回のようなトラブルは氷山の一角とみられ、今後も同じようなもめ事が相次ぐことが懸念されている。
珍しいポケモンを見つけたので保存しようと...
「ポケモンGO」が2016年7月22日に日本でも始まると、「歩きスマホ」をしながら画面に見入る人が続出した。スマホカメラを通して、周囲の現実の風景と一体化したポケモン探しができるのが人気の秘密だ。
プレイする人は、スマホカメラ部分を自分の進行方向などに向けることも多い。珍しいキャラクターを見つけた人は、「捕獲」する前に、背景の現実画面とともにスクリーンショットで保存することもある。はた目には写真を撮影したようにも見える。たまたまカメラを向けられた人の中には、驚いたり不愉快に思ったりするケースもあるようだ。
朝日新聞や時事通信などの電子版が2016年7月25日午後、報じたところによると、東京・渋谷の道玄坂で23日、「ポケモンGO」をプレイ中の女性の腕をつかんだとして、20代男性が現行犯逮捕された。
珍しいポケモンを見つけた、という女性が画面を保存していたところ、近くにいた男性が、自分のことを撮影しただろう、として写真を消すよう迫り、女性の腕をつかんだという。朝日記事によると、男性は容疑を否認しているという。
「盗撮魔の言い訳になるかも」
逮捕のニュースが流れると、ツイッターや該当記事コメント欄などには、「腕をつかんだ」暴力行為はよくない、との指摘が出る一方で、
「逆(に撮影を)やられたら、この女性も怒るぜ、たぶん」
「これは両成敗でしょう」
と、周囲の人の映り込みに注意を払うことなく「撮影」していた女性側の対応を疑問視する意見も寄せられた。
こうした疑問を背景に男性への同情論も沸き起こっており、
「(逮捕された)男は納得できる訳がないよなぁ」
「かわいそうに、男の人」
という声もあった。
また、今回のケースの男女が逆だったら、男性が女性に無断で盗撮をしたとして男性の方が逮捕されるのでは、との見立てを披露した上で、「女尊男卑だね」と指摘する人もいた。
逆に、無断撮影が「ポケモンGOのための撮影だから」という理由で許されるならば、それを理由に「盗撮」する輩が出かねない、と懸念を表明する人もいて、「盗撮魔の言い訳になるかもね」「盗撮していてもポケモンしていた、という言い逃れも増えそう」と心配している。