東京都知事選(2016年7月31日投開票)の「ラストサンデー」となる7月24日夜、東京・六本木で候補者5人による「候補者ネット討論」が開かれた。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)氏も参加すると告知されていたが、主催者は討論会冒頭で鳥越氏の欠席を発表。代わりに、討論会への参加を求め続けていた元ジャーナリストの上杉隆氏(48)が急きょ参加した。
一方で、鳥越氏の陣営は「遅くとも金曜午前中には断りの連絡を入れている」と話している。討論会会場には、開始直前まで鳥越氏のネームプレートが置かれた空席が用意されていた。この点について、鳥越氏の陣営は「悪意ある演出」と反発している。
鳥越氏の席は直前まで用意されていた
ニコニコ動画を運営するドワンゴなど4社による主催者は、出演依頼する候補者の基準を(1)政党要件を満たす政党からの推薦(2)国会議員経験(3)大臣経験(4)地方自治体首長経験、のいずれかだと説明。これに従って、鳥越氏以外に元総務相の増田寛也氏(64)、元労相の山口敏夫氏(75)、元防衛相の小池百合子氏(64)、元兵庫県加西市長の中川暢三氏(60)の4氏(立候補届け出順)の出演が発表されていた。主催者が発表した「登壇予定者」一覧には鳥越氏の名前があったものの、鳥越陣営が発表している日程には討論会の予定が入っておらず、鳥越氏の動向が注目されていた。
J-CASTニュース記者が討論会の会場に到着した20時40分過ぎには鳥越氏の席が用意されていたが、討論会開始の21時45分までには鳥越氏の席が撤去され、上杉氏の席が新たに用意された。討論会冒頭、司会の夏野剛氏が鳥越氏の欠席について
「鳥越さん、大変残念なんですけども、大変残念なんですが、『日程の調整がつかない』ということで、日曜日の9時45分、21時45分に、ご用事がおありということでですね、ご欠席となりますので、皆さんご容赦ください」
などと説明。報道陣もこの時点で鳥越氏の欠席を知らされた。
上杉氏については、元々は出演依頼の基準に合わなかったため依頼をしていなかったが、
「この2~3日、『有力6候補』なんていう風に言われる報道も出てきた」
として24日に出演を依頼し、他の出演者からも
「『そんなんだったら是非来てもらって構わない』というご了解をいただいた」
と説明。その上で夏野氏は、
「鳥越さんには出ていただけなかったので、こちら(司会の横)に名札を置かせていただいております」
などと鳥越氏の欠席を暗に非難した。上杉氏は先約があった関係で討論会開始から20分ほど経過してから会場に登場し、他の候補者と同様に社会保障や財政に関するテーマで政策論を戦わせた。
鳥越陣営「欠席は日程の都合」「悪意の演出」
候補者の「クリーンさ」を問う話題では、司会者の夏野氏から「ちょっとお聞きしたかった人がいるんですけど...」という発言が飛び出すなど、終始主催者は鳥越氏に批判的だったが、鳥越氏の陣営は
「遅くとも金曜(7月22日)午前中には断りの連絡を入れている」
と説明。討論会開始前に空席に鳥越氏のネームプレートが置かれていたことについては
、「その演出には悪意がある」
と反発していた。陣営では24日、
「今回の討論会出席を断ったのは純粋に日程の都合。今日の夕方にもテレビ出演(日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」)したばかりで、全部の討論を断っているわけではない」
などと説明。「日程の都合」の具体例としては、24日夜には八王子で個人演説会を行っていたほか、ミニ集会を増やしていることなどを挙げた。