米テキサス州アーリントン市で、重罪犯の行方を追っていた警察犬が熱中症で倒れて死亡する事件があり、米国中の涙を誘っている。
2016年7月22日、CNNなど複数の海外メディアが報道した。
35~36度の暑さの中、よろよろと倒れて...
事件が起きたのは7月19日午前。この警察犬は、アーリントン市警察本部のベルジアン・シェパードのオス「モージョ」号。逃亡中の重罪犯の捜索のため同日朝に出勤、担当警察官と仲間の警察犬とともに行方を追っていた。ところが、任務に就いて約1時間後、あえいだりよだれを流したりした後、よろよろと倒れた。異変に気づいた警察官が病院に搬送したが、助からずに死亡した。容疑者は同日午後に捕まった。CNNの気象担当者によると、同市の当日の気温は35~36度まで上昇したという。
モージョは、2010年に2歳の時から同市警に配属され、凶悪犯の逮捕や麻薬、証拠品の捜索などに貢献してきた。同市警幹部は7月22日、モージョの死亡を発表、「彼の喪失は当市警本部にとって大きな痛手である」と悼んだ。
氷水で冷やしたタオルや保冷剤で体を包んであげよう
日本の獣医のウェブサイトを見ると、「犬は人間より熱中症にかかりやすい。汗腺は肉球にしかなく、人間のように汗をかくことができません。ハアハアと口で呼吸することでしか体温を下げることができないため、熱がこもりやすく、突然、呼吸困難を起こしたり、意識を失ったりします」と指摘する。
そして、次のような注意点をあげている。
(1)よだれを流したり、ふらついたりしたら、とにかく体を冷やすこと。木陰や冷房の効いた室内など涼しい場所に移す。
(2)氷水で冷やしたタオルや保冷剤で体を包むか、氷水を張ったタライや浴槽に体を浸ける。首の付け根や腋の下を冷やすと効果的。意識がある場合は十分に水分をとらせる。
(3)症状が重い場合は車の冷房を十分に効かせ、一刻も早く動物病院に運ぶ。
(4)ふだんから炎天下での散歩や激しい運動は控える。家の中では十分に冷房を効かせる。また、「窓を少し開けたから」「曇りの日だから」と車の中に置き去りにするのは厳禁だ。