「足元の任天堂の株価は収益面からは説明しにくい」
そうしたなか、任天堂株が「過熱しすぎ」と見る向きも出てきた。野村証券のアナリスト、山村淳子氏は7月11日付のレポートで「ポケモンGO」の月商が50~100億円とした場合、任天堂の経常利益の押し上げ効果は年間約10~20億円になると試算。「市場が同タイトル(=ポケモンGO、編集部注)の利益貢献のみを考慮しているならば反応は過度な印象だ」と指摘している。
「ポケモンGO」は、任天堂の持ち分法適用会社の「ポケモン」が開発に関与。任天堂が直接手がけていないので、利益は株式の持ち分などに応じた計上となるため、同社の収益に与える影響は限定的になるとされる。
また、SMBC日興証券のシニアアナリスト、前田栄二氏は7月22日付の日本経済新聞で、「足元の任天堂の株価は収益面からは説明しにくい」と指摘。人気の「ポケモンGO」は、同社が7月末に発売を予定しているウェアラブルデバイス「ポケモンGOプラス」を含めても「任天堂の収益への貢献は限られる」とみている。
最近の株価急騰を、「任天堂がもつ知的財産(IP)への期待はゲーム配信前の時点で、株価にある程度織り込み済み」としている。
米国などで配信がはじまった7月6日から、任天堂株は22日時点で1万3920円(97.3%)も値上がりしたが、それが人気先行の、ムードだけの「バブル」かもしれないということらしい。