めまい放置したら突如バッタリ卒倒 予防のカギは「寝返り」「ジャンプ」

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【チョイス@病気になったとき】(Eテレ)2016年7月9日放送
「何とかしたい めまいの悩み」

   フラフラ、グルグル、クラクラ・・・多くの人が経験しているだろう「めまい」。すぐに収まる軽いものもあるが、命にかかわる病気が隠れている場合もある、実は恐ろしい症状だ。

   番組では、放置してはいけないめまいの症例と、すっきり解消する対策を紹介した。

  • めまいを放置しないで(写真はイメージ)
    めまいを放置しないで(写真はイメージ)
  • めまいを放置しないで(写真はイメージ)

朝起きた瞬間、まっすぐ歩けないほどのめまい

   大阪府の田中さん(30、仮名)は2016年2月、このまま死んでしまうのではと思うほどのめまいに襲われた。

   それまでにも数か月に一度ほど、頭を動かした時に天井がグルグル回るようなめまいを感じていた。1分ほどで収まっていたため、疲れから来る症状だと思い、病院には行かなかった。

   ある日の朝、目が覚めて起き上がろうと頭を揺らした瞬間、そのままバタンと前に倒れてしまった。吐き気に襲われ、まっすぐ歩けない。近所の総合病院に緊急入院してめまいを抑える薬を点滴、症状は一旦おさまった。

   その後耳鼻咽喉科を受診すると、「良性発作性頭位めまい症」と診断された。めまい疾患で最も多い病気だ。

   人間の体のバランスは耳の奥の「内耳」の働きで保たれている。特に重要な働きをするのが「三半規管」と「耳石器」だ。

   ここはリンパ液という液体で満たされていて、三半規管は中を通る液体の流れを、耳石器は耳石という石の動きを感知し、頭の動きや傾きを脳に伝えている。

   耳石は小さな粒子が集まってかたまっているもので、ちょっとした刺激や老化ではがれやすい。通常は吸収、再生されるが、はがれた耳石が一か所に集まって大きくなり、三半規管へ入ってしまうと、リンパ液の中で実際の頭の動きとは無関係の流れを作ってしまう。すると、頭は止まっていても揺れているという信号が脳に送られてしまい、視界が回転するような激しいめまいが起こる。

   病院で耳石を元の位置に戻す数分間の治療を施せば、8~9割の患者は症状が改善する。田中さんもこの治療で激しいめまいが起こらなくなったという。

   三半規管の中の「クプラ」というゼラチン状の部分に耳石がくっついてしまうと、病院での治療が難しくなる。この場合、壁から半歩ほど離れて壁に片手をつき、耳に入った水を抜く時のように首を傾けて片足でジャンプする。左右10回ずつ、1日1回以上気付いた時に行うと改善が期待できる。

   再発率は2~3割と高いが、「寝返り運動」が予防になる。

   枕に頭を乗せ仰向けになり、10秒数えたら体ごと右を向いてまた10秒。仰向けに戻って10秒、左を向いて10秒、また仰向けに戻る。これを朝起きた時と夜寝る前、1日2回10セット行うことで、耳石が一か所にかたまりにくくなる。

   そのほか、首が痛くならない程度に枕を少し高めにする、耳石の主成分であるカルシウムを摂取し、ビタミンDやビタミンKとあわせて吸収率をアップさせることも対策になる。

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