「アニメだけでいいのかと言いたかった」
日本文学振興会によると、電話やメールなどでも7月21日夕までに2、3件は苦情が入っている。「『文学が上位』『アニメは低劣』と言っている感じがする」「上から目線のような気がしてとても不快だ」といったものだそうだ。
これに対し、前出の振興会担当理事は7月21日、次のように釈明する。
「そのような読み方があることを初めて知り、目から鱗でとても驚きました。それを察知できなかったことは、恥ずかしく思っています。広告の文面は、アニメがダメということではなく、文学には、アニメでも表現できない刺激があり、読まなくていいんですかという意味で載せました。アニメでも人生を想像できますが、それだけで満足してよいのでしょうかということです」
文学は元気がなく、出版界は低調で本が売れない一方、アニメは面白いものが多く、海外の人からも喜ばれているとして、強い表現手段を持ったライバルと捉えているとも言う。
新聞社の審査を通ったのは、広告の文面が差別や蔑視に当たらないと判断されたからだとしている。
今後について、担当理事は、「ご指摘を真摯に受け止めて、何らかの対応をしたいと考えています。具体的なことは、これから検討していきます」と言っている。