東京都知事選(7月31日投票)に向け、主要3候補である鳥越俊太郎(76)、増田寛也(64)、小池百合子(64)の3氏について、それぞれの弱み=アキレス腱は何かを分析する連載の第2回は、増田氏を取り上げる。
岩手県知事や総務相をつとめた行政経験から「実務能力の高さ」を大きく打ち出している増田氏だが、懸念されるのは「知名度の低さ」だ。さらには、肝心の「実務能力」をめぐっても、都知事としての手腕を疑問視する向きが目立つ。
告示日の2日前に始めたツイッター
「表情も硬いし、喋りもキャスターじゃありませんし。知名度も劣る」――。2016年7月11日放送の「プライムニュース」(BSフジ)に出演した増田氏は、都知事選に向けた「自らの弱点」について、こんな自己分析を披露していた。
実際、今回の都知事選に向けて12日に開設された増田氏のツイッターアカウントをみると、そのフォロワー数は4494人(21日15時時点)だ。告示日14日の正午時点ではたった86人だった。10万人以上のフォロワーを抱える小池氏や鳥越氏に比べると、その差はけた違いだ。
また、検索件数を調べることができるサービス「Googleトレンド」で見ても、小池氏と鳥越氏に比べ、「増田寛也」と検索する人の数は少ない。告示日から20日までの7日間の増田氏の検索件数は、ほかの2人に比べて3分の1程度にとどまっている。
このように「知名度の低さ」が数字として出る一方で、増田氏を支持する自民議員からは「オーソドックスに都民のために仕事をしてくれる人」(谷垣禎一幹事長)「地に足つけた仕事ができる人」(丸川珠代環境相)と「堅実さ」を評価する声が飛ぶ。
もちろん、増田氏本人もこの点を強く打ち出しており、
「豊富な行政経験が裏付ける『実務能力』と徹底した『現場目線』で、様々な課題一つひとつを丁寧に解決し、堅実に成果を積み重ねて参ります」
などとした抱負を公式ホームページに掲載している。