米国などで社会現象を引き起こし、日本でもリリースを待ち望む声が日に日に高まっている「ポケモンGO」。日本での配信を前に、急騰を続けてきたゲーム大手の任天堂株が2016年7月20日、急落した。一緒に急騰してきた関連銘柄のなかには、そろって値下がりするものも出た。
一方、日本マクドナルドは20日に「ポケモンGO」とのコラボレーションを近々実施すると正式に発表。株式市場は、いまや「ポケモノミクス」なる造語まで生まれる「お祭り騒ぎ」状態で、なかには任天堂以上に株価が跳ね上がった銘柄まであり、個人投資家らは「ポケモンGO」関連の「銘柄さがし」に躍起になっている。しかし、20日とも噂された日本でのリリースが19時現在実現しておらず、株価としては「材料出尽くし」という見方もある。このまま、お祭りが続くのか、あるいは、後の祭りになるのか。
2週間足らずで株価が2倍超に
「ポケモンGO」は、任天堂とNiantic Labs、ポケモンカンパニーの共同開発によるスマートフォン向けの無料ゲーム。全地球測位システム(GPS)の位置情報を使って、さまざまな場所に出没するモンスターを捕まえたり、戦わせたりして遊べると、先行した米国などで爆発的な人気になっている。
これを受けて、東京株式市場の任天堂株は、米国やオーストラリア、ニュージーランドの3か国で公開された7月6日の終値が1万4380円。それが連休明けの19日には3万1770円に達した。大型株とは思えないほどの、じつに2.2倍もの伸びだ。
19日は一時、4920円高の3万2700円の年初来高値を付けており、時価総額で4兆円を超え、家庭用ゲーム機で競合するソニーを2年ぶりに上回ったほど。
業績への貢献を期待した「買い」がさらに膨らみ、幅広い投資家層の資金が流れ込んでいて、売買代金は7036億円に達した。売買代金は東証1部全体の23%を占めるという、前代未聞の大商いが連日のように続いていた。
その任天堂の株価は、7月20日に急落。この日の終値は前日比4005円で、12.61%も値下がりして、2万7765円で引けた。
連日の株価急騰で、警戒感が強まったことや「利益確定売り」が出やすい状況になっていた。「ポケモンGO」の発売日は明らかにされず、焦らされたことで嫌気がさした個人投資家らもいたようだ。