初めての出産を迎える女性にとって、陣痛より心配でこわいといわれる会陰切開。出産をスムーズに行なうため、妊婦の膣の周囲を麻酔も使わずにハサミで切って広げる措置だ。「切らないですむなら切らないで」と願う女性は多い。
この会陰切開について、米国産科婦人科学会が2016年6月22日、「妊婦に様々な障害が残る可能性があるので、ルーティンで(お決まりの作業として)行なうべきではない」とする声明を発表したことが、日本のママたちのサイトでも話題になっている。
陣痛が痛すぎて、切られたことに気づかない人も
会陰切開は、お産が長引き母子ともども体力の限界に近い場合や、胎児の状態が悪く早く出さないと会陰部が大きく裂けてしまう危険がある時などに、膣の周辺をハサミで切る措置だ。通常は、陣痛の痛みの方が大きいため麻酔を使わない。ひと昔前は、出産を楽にするため陣痛が始まるとすぐに切る医師が多かったといわれる。出産を控えたママたちのウェブサイトを見ると、こんな恐怖の気持ちがつづられている。
「もうすぐ妊娠34週目になりますが、陣痛のことより会陰切開がこわいです。私の母親いわく、切る時は陣痛が痛すぎて、切られたことに気がつかないくらいだけど、その後、麻酔なしで縫うのが陣痛より痛かった、とか」
「あたしの場合、はっきりいって陣痛真っ最中でしたから、痛くありませんでしたよ。あたしも、陣痛より怖かったですが、先生に『切るよ~』って言われても、『早く切って出してくれえぇぇ~!』って感じでした。脅すわけじゃありませんが、陣痛ってスゴイです」