ジョギングやウオーキングを始めるのはどうもキツイ、という面倒くさがり屋の人は自転車ならいかが。しかも、50歳から乗り始めても十分に糖尿病予防の効果があがるという。
本格的なサイクリングではなく、通勤や買い物に使うだけでも糖尿病リスクが下がるという研究を南デンマーク大学のチームがまとめ、医学誌「プロス・メディシン」(電子版)の2016年7月12日号に発表した。
1週間に1時間半以上の自転車通勤で3割減
研究チームは、デンマークに住む50~65歳の男女5万2513人を対象に、14年間にわたり糖尿病の発症と自転車に乗る習慣の関連について調査した。データの分析では、食生活や飲酒・喫煙習慣、肥満度、自転車以外の運動量などを考慮した。その結果、自転車に乗る習慣のある人は、習慣のない人に比べ、糖尿病を発症するリスクが減ることが確かめられた。
買い物やサイクリング、通勤のすべてを合わせた時間と発症リスクを比べると、次のように乗る時間が多いほど低くなった(カッコ内は発症リスク減)。
(1)1週間あたり1時間未満(13%)。
(2)1週間あたり1時間~1時間30分未満(17%)。
(3)1週間あたり1時間30分~5時間未満(20%)。
(4)1週間あたり5時間以上(20%)。
これが、通勤に使う時間だけに限ると、さらに発症リスクは低くなった。レジャーや買い物に比べ、スピードが速くなるからと思われる。
(1)1週間あたり1時間未満(12%)。
(2)1週間あたり1時間~1時間30分未満(22%)。
(3)1週間あたり1時間30分~5時間未満(29%)。
また、調査開始時点では自転車に乗る習慣がなかった人が、5年後の2度目の調査の時には乗っていた人を調べると、乗る習慣のない人に比べ、発症リスクは平均で20%減っていた。50歳を過ぎてから乗り始めても、十分に糖尿病予防に役立つのである。