2016年7月31日投開票の東京都知事選に立候補している元防衛相の小池百合子氏(64)がコスプレ姿の画像をツイッターに投稿し、自身が当選すれば、都としてコミックマーケットを応援することを約束した。
一方で、小池氏側は否定しているものの、ネット上では、小池氏の過去の行動から、実は漫画などへの「表現規制」も進めるのではないかとして、論議が起きているのだ。
「私は東京を文化の発信地にしていきます」。小池氏は7月17日のツイートでこう宣言して、話題になっている画像をアップした。
小池氏の発言は、1万件ほどもリツイートされる
その画像では、小池氏は、金髪のカツラを被って、テレビアニメのヒロイン「魔法使いサリー」のコスプレをしている。これは、15年10月31日にあった「池袋ハロウィンコスプレフェス」のイベントで披露したものだった。
ツイートではさらに、「コミケ開催地も出版社もその多くが東京にあるのです。東京都が総力を挙げて、コミケを応援します!」とも書き込んだ。
この日は、JR秋葉原駅前で街頭演説をしており、それにちなんで投稿したものらしい。
ユーチューブなどに投稿されている演説動画を見ると、小池氏は、アニメを成長産業と位置付け、ここでも「コミケをしっかりと支援していく」と訴えた。そして、トキワ荘があった豊島区などアニメの原点が東京にあるとして、日本のキラーコンテンツとして海外に広めたいと抱負を語った。16年は、別のテレビアニメ「リボンの騎士」に扮しようかと言いながらも、自らを「魔法使いユリー」と名乗り、「この秋葉原を中心に東京全体がアニメランドに」なるように尽力したいと支持を求めていた。
こうした小池氏の発言は、ネット上で反響を集め、前出のツイートは1万件ほどもリツイートされている。
アニメなどに興味を持つ外国人が多いとして、「コレはいい」と歓迎する向きもあった。
しかし、ネット上で論議になったのは、小池氏が漫画などに対する「表現規制推進派」ではないかというものだ。
「表現規制推進派というのは、デマです」
その根拠として挙げられたのが、小池百合子氏が、これまで何度か国会に出されている「児童買春・ポルノ禁止法の早期改正を国会に求める請願」の紹介議員になっていることだ。
請願の要旨では、「漫画やアニメ、ゲームソフト等『仮想のわいせつ画像や性的虐待の表現』も目に余り、これ以上、児童ポルノの氾濫を放置しておくことはできない」として、すべての単純所持を処罰できるよう早期の法改正を求めている。
このため、小池氏が都知事になった場合、ネット上では、漫画表現などへの規制を強めるのではないか、との懸念の声が相次いでいる。
「小池百合子、オタへの媚にしか見えんな? そもそも表現規制派だったよねぇ」
「選挙の時だけのリップサービスで受かったら手のひらクル~なんだろうな」
「早急に表現の規制に関する考えを再度まとめて公表すべき」
石原慎太郎知事時代の2010年に都青少年健全育成条例が改正され、特定の性行為を描いた漫画やアニメが18歳未満への販売規制対象になっているが、小池氏も、「不健全図書」の規制を一層強めるのではないかとの不安が出ている。
小池氏の選対役員は、J-CASTニュースの取材に対し、次のように答えた。
「表現規制推進派というのはデマです。規制を進めると言ったことはありません。表現の自由は、しっかりと守るべきだと思います。ただ、漫画などへの支援と規制とは、正反対のベクトルだとは思えません。目をそむけたくなるものも中にはあり、そこをどのように線引きするか議論が必要でしょうね」