サッカー選手には端正な顔立ちの選手が多く、サポーターの間でも「誰がイケメンか」という話題がたびたび出る。
そんな中、Jリーガーで最もイケメンなのは誰かというアンケート結果が発表されたが、その3位の選手をめぐってちょっとした議論が起きている。セレッソ大阪のFW柿谷曜一朗だ。
「顔面だけならクラスや職場に普通にいる感じ」
「Jマジ!イケメンJリーガー選手権」と題するアンケート調査は、IT企業リクルートライフスタイルに設置された調査組織「じゃらんリサーチセンター」が実施。試合観戦だけではないサッカーの魅力を伝え、より多くの人にJリーグとサッカーを知ってもらうことを目的に、2014年に始まった。3年目の今回は、2016年5月23日から6月13日までウェブサイト上で投票を受け付け、7月5日にその結果を発表した。投票総数は9104票。
1位は鹿島アントラーズのMF柴崎岳が15年に続き2連覇、2位はサンフレッチェ広島のMF宮原和也で、その次の3位にランクインしたのが柿谷。しかし、上位2人と比べて、その順位にはネット上で異論が目立つ。
「柿谷ってイケメンなのか?」
「柿谷。。??どーなってんだよ。。わかんねーや」
「悪くはないけど」
「柿谷は違うと思う(笑)」
「顔面だけならクラスや職場に普通にいる感じ」
「柿谷は容姿が良いわけではない。良くもなくそれほど悪くもなく」
3位だというのに結構な言われようだ。一方で
「柿谷はイケメンというよりモテ顔」
「女心をくすぐる何かがあるんだろうな」
などと推測も出ている。
参考までに過去の結果を見ると、15年は1位柴崎岳、2位MF古田寛幸(当時コンサドーレ札幌、現ツエーゲン金沢)、3位MF谷口彰悟(川崎フロンターレ)。14年は1位FW南野拓実(当時セレッソ大阪、現オーストリアブンデスリーガ・ザルツブルク)、2位MF増田誓志(大宮アルディージャ)、3位MF大島僚太(川崎フロンターレ)だった。
柿谷は14~15年はスイス・スーパーリーグのFCバーゼルへ移籍しており、Jリーガーではなかったため、過去2回のアンケートでは投票対象外だった。それが16年にJリーグへ復帰して早々、一気に第3位にランクイン。人気の秘密はどこにあるのか。
「セレ女」の視線を集めるエース
柿谷はユース(高校生世代)の頃から「天才」と称されてきた。香川真司、清武弘嗣ら、セレッソで長く時間をともにしてきたチームメイトをはじめ、日本代表デビューすると、プレーぶりを見て各メディアも柿谷を「ジーニアス(天才)」と伝えた。
その名が全国区になった象徴的な試合は、2013年9月の国際Aマッチ、日本対グアテマラ戦。代表チームは十数年間に渡り、決定力不足が指摘されており、当時のザッケローニ監督もFW人材不足に頭を悩ませていた。そんな中、柿谷が1トップで出場したこの試合後、チームの中心的MF本田圭佑が「(柿谷は)非常にボールが収まる。ようやくこういうタイプの1トップが出てきたかという気がする」と最大限の評価をし、一躍脚光を浴びた。
2013年はセレッソにとっても人気の面で転換点となった。前年12年のロンドン五輪に山口蛍、扇原貴宏、杉本健勇らセレッソの選手が多数選出。この機をとらえてクラブは若年層や女性ファンの新規獲得を狙い、若い選手のビジュアルを押し出すPRを展開した。セレッソ旋風が起き、女性サポーターは「セレ女」と呼ばれるようになった。
そして、その急先鋒だったのが柿谷。ロンドン五輪にこそ出られなかったが、チームのエースとしてJリーグでゴールを量産。リーグ戦21ゴールをあげて得点王を争い、Jリーグベストイレブンにも選出された。また、この2013年からセレッソのエースナンバー「8」を背負い、名実ともにチームの顔となった。当然、セレ女の目も一番目立つ柿谷に向けられるようになる。こうして全国から女性ファンを獲得していった。
サッカー専門ニュースサイト「フットボール・チャンネル」の13年12月17日付記事では、スタジアム観戦に来ていたセレ女にインタビューし、柿谷の人気を探っている。そこでは、顔よりもまず「自然な感じ」「普通に大阪にいそう」「私でも手が届きそう」といった雰囲気の部分で好きになった女性が少なくなく、徐々に「かっこいい」と思うようになっている。
すると、時間をかけて柿谷の魅力に気づいたセレ女ほどの思い入れがない層(特に男性)にとっては、柿谷を「イケメンではない」と見ても無理はない。「Jマジ!イケメンJリーガー選手権」でも、投票の大部分が女性票だったといい、間近で見続けてきた熱烈なセレ女たちが、「3位」という結果を強力に後押ししたのかもしれない。