LINE上場、時価総額1兆円の熱狂 「韓国系」が9割超える株保有

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   無料通信アプリを運営する「LINE」が2016年7月15日、東京証券取引所第1部に上場した。

   1株あたりの初値は4900円で、売り出し価格の3300円を約48%上回る好調な滑り出しをみせた。企業価値を示す時価総額は1兆300億円(初値ベース)で、2016年に上場した銘柄としては最大規模となった。

  • 時価総額1兆円、LINEが東証1部に上場
    時価総額1兆円、LINEが東証1部に上場
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日米で、2016年の上場銘柄では最大規模

   LINEの株式上場をめぐっては、公募株数に対する投資家の応募倍率が25倍弱にも達していた。個人投資家も約18倍、機関投資家が約13倍と、上場前から人気の高さをうかがわせていた。

   上場初日の2016年7月15日は買い注文が殺到。取引開始から約1時間半後の10時36分に4900円の初値がついた。一時は5000円まで上昇したが、その後は利益確定の売りが出て、終値は4345円と初値を下回る値動きになった。

   LINEは前日の14日(現地時間)に、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に米預託証券(ADR)を上場。終値は41.58ドル(約4370円)で、売り出し価格の32.84ドル(約3450円)を約27%上回っていた。

   2016年の米株式市場は、IT銘柄の新規株式公開(IPO)の実績が芳しくなかったこともあって、LINEへの期待は大きかったようで、ニューヨークではLINEの上場を記念するセレモニーなどで盛り上がった。

   東証でのLINEの株価は、そんな米国での勢いがそのまま「追い風」になったのかもしれない。

   LINEは韓国のIT企業「NAVER」の子会社で、無料通話アプリ「LINE」の利用者数は世界で2億人を超える。なかでも、アジアでの利用者が多く、月間利用者数(アクティブユーザー数)2億1870万人(前年同月比7%増)のうち、1億5160万人が日本や台湾、タイ、インドネシアで、前年同月比23%増と大きな伸びをみせた。日本人の月間利用者は6070万人(いずれも、16年3月末)にのぼり、急成長している。

   LINEは上場で調達する約1300億円の資金をもとに、海外展開や新規事業などの成長戦略への投資を加速させるとしており、当面は勢いが続きそうだ。

   さらに、LINE人気を高めた背景には、過去の大型のIT銘柄の株価が好調に推移していることもありそうだ。2004年8月に米NASDAQに上場したGoogleをはじめ、12年5月のFacebook (NASDAQ)、日本では05年2月に東証マザーズに上場したディー・エヌ・エー、06年9月のミクシィ(東証マザーズ)などは、売り出し価格を大きく上回っていた。

   ミクシィは初日に売買が成立せず、翌日になってようやく初値295万円(公募価格155万円)の値が付いたほど。ディー・エヌ・エーは07年12月に東証1部に市場を変更。16年7月現在、株価は上場時の約10倍にも膨らんでいる。

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