相談機関、かかりつけ医、専門病院が連携
東京・三鷹市では、武蔵野市と共同で、8年前から認知症の人を見守る取り組みを始めている。地域包括支援センターなどの相談機関、かかりつけ医などのもの忘れ相談医、そして専門病院が連携を図っている。
三鷹市西部地域包括支援センターでは、もの忘れや認知症の相談を受けた時、自治体独自の「もの忘れ相談シート」を使っている。
職員が相談者と面接し、雑談しながら「同じことを何回も聞いたり話したりする」「約束を忘れる、間違える」「身なりを気にしなくなった」など14項目を客観的にチェック。気になる症状があれば具体的に記入する。
この相談シートをかかりつけ医が共有し、専門病院の支援が必要と判断した場合、経過報告書とあわせて紹介状を書く。
三鷹市の杏林大学医学部付属病院には「もの忘れセンター」がある。問診、血液検査、心電図検査、脳のMRI(核磁気共鳴画像法)で認知症を検査する。
認知症と診断した場合、そのことを、地域の患者支援者たちが把握する必要がある。また病院は、介護保険はじめ各種サービスの利用を促す意見をシートに記入し、相談機関に渡す。
ソーシャルワーカー・名古屋恵美子さん「みんなが別々の方向を見てしまいかねないところを、一緒に支援しているチームのような形で関わっている。今はどこでもこのように(認知症患者のサポートが)進んでいるので、安心していただいていいと思います」
鳥取・琴浦町では10年前、鳥取大学医学部と企業が開発したもの忘れチェックのタッチパネルをいち早く取り入れた。町が主催する集団検診や公民館での集まり、自宅訪問の際に、タッチパネルを利用している。記憶や図形の認識など5項目、15点満点で、その場で結果がわかる。
利用者「先生がいるとやっぱり緊張する。機械だったら何ともない。平常心といいますか」
結果をみて、認知症予防教室への参加を促したり、精密検査が必要な人には専門の医療機関を紹介したりしている。