財務省は、三菱東京UFJ銀行が国債入札に有利な条件で参加できる特別資格(プライマリーディーラー)の返上を届け出たことを受けて、2016年7月15日付で指定を取り消すと7月13日に発表した。邦銀の指定が取り消しとなるのは初めて。
プライマリーディーラーは、国債の入札で財務省と意見交換ができる一方、一定割合の応札が義務付けられている。2月以降の日本銀行のマイナス金利政策の導入で、長期国債の利回りはマイナス圏に低下していて、国債を買い続けると金融機関に損失が出る恐れがある。
資格の返上について、三菱東京UFJ銀行の親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、銀行と証券会社の業務や機能の集約、グループ一体的な運営の強化を理由にあげている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券はこれまで通り、資格を持つ。
なお、7月15日以降、プライマリーディーラーはMUFGの2社を含め、証券会社や銀行の21社となる。