天皇陛下が天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁関係者に示したとする2016年7月13日夜のNHK報道を、宮内庁次長は同日、「そうした事実は一切ない」と全面否定した。
しかし、NHK報道を受けて、報道各社は宮内庁の見解を報じつつ、天皇陛下の退位の意向を、「政府関係者」「宮内庁関係者」の話として相次いで報じており、数年以内の退位を既定路線として報じている。これを受けて、ネット上では「平成が終わるのか」「平成の次は?」などの話題で持ちきりになっている。
宮内庁「報道されたような事実は一切ない」
「生前退位」は2016年7月13日夜、NHKが報じた。それによると、天皇陛下は公務を減らしたり摂政を置いたりして天皇の位にとどまることは望んでいないという。
これを追う形で、報道各社は
「生前譲位、皇室典範は想定せず 最後の譲位は1817年」(朝日新聞)
「天皇陛下『退位』意向 驚きと共感『ゆっくりされて』」(毎日新聞)
といった、退位の意向を前提とした関連記事を続々とウェブサイトで展開している。
一方、宮内庁の山本信一郎次長は報道陣の取材に応じて「報道されたような事実は一切ない」と報道内容を全面的に否定している。だが、メディアはこの報道をほとんど無視する形で、「生前退位」を報じ続けている。
J-CASTニュースがNHKの報道を報じた記事のコメント欄では
「なりたくて天皇になったわけではない。人生の一時だけでも普通の人として生きる選択と時間があってもいいのでは」 「天皇陛下と皇后陛下の御体調を拝察すれば、生前退位も宜しいかと思います」
と、退位に理解を示す声も相次いでいる。