東京都知事選(2016年7月14日告示、31日投開票)で、去就が注目されていた日本弁護士連合会の元会長、宇都宮健児氏(69)は7月13日夜、出馬を取りやめると発表した。13日昼すぎにあった日本記者クラブの共同記者会見には出席し、公約などを述べていた。
民進党や共産党など野党4党が12日、統一候補としてジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)を擁立したことを受け、鳥越氏と支持基盤が一部重なることになり、支援者らと対応を協議していたが、告示日前日の夜になって、鳥越氏への票の集中のため、決断したとみられる。与党陣営が保守系の分裂選挙となる中、野党系は鳥越氏で一本化されることになり、影響は大きいとみられる。
先の2回の都知事選では次点
宇都宮氏は13日午前の段階では、「基本的な姿勢は変わっていない」と述べていた。午後に行われた日本記者クラブでの共同記者会見でも、現段階では立候補の意志は変わらないと、明言していた。
しかし、その後も、前回の都知事選で支持基盤となった共産党関係者らからの働きかけが続いた模様で、日本記者クラブの共同記者会見後に支援者らと協議し、出馬取りやめを決断した。「野党統一候補」に配慮した形とも、引きずり降ろされた形とも言えそうだ。
宇都宮氏は、先の2回の都知事選へ出馬し、いずれも次点となっていた。