憲法改正を目指す保守系団体「日本会議」の田久保忠衛会長(杏林大学名誉教授)が2016年7月13日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。日本会議をめぐっては、日本会議を支持する議員懇談会には安倍内閣の閣僚が多数所属していることが知られている。その実情を検証する「日本会議の研究」 (扶桑社新書)がベストセラーになるなど、その影響力が注目されている。
田久保氏は、「普通の国」になることの重要性を強調し、安倍晋三首相を「極左から真ん中に持ってこようと努力した政治家」と高く評価。7月10日投開票の参院選で、いわゆる「改憲勢力」が3分の2に達したことを「絶好のチャンス」だとして、具体的な条文などには言及しなかったが、「おそらく10年後には憲法が改正されるだろう」と述べた。
声明では「具体的論議を加速」求める
日本会議は参院選後に発表した声明で、
「国民の間の憲法改正への理解が表れた結果であると受け止めている」
と選挙結果を歓迎し、
「各党はこの民意を厳粛に受け止め、速やかに国会の憲法審査会の審議を再開し、改正を前提とした具体的な論議を加速させるべきである。民進党も、未来志向の憲法を国民と構想すると公約している以上、従来の方針を改め、憲法審査会での審議を充実されるよう期待する」
などと改憲に向けた動きを加速するように求めている。