国債引き受ける銀行がなくなる? マイナス金利政策は泥沼化している

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日本国債の約87%がマイナス利回りという指摘

   しかし、7月5日付の「ウォールストリートジャーナル」紙は、20年物国債の利回りがマイナスに陥ったことを受けて、「日本国債の約87%がマイナス利回りということになる」と報じた。日銀は、こうした指摘について「承知していない」としているが、懸念は高まっている。

   経済学者で慶應義塾大学教授の金子勝氏が2016年7月12日付のツイッターで、

「参院選前の1週間、日銀の国債買入れが6兆円増え382兆円に。さらにリニア新幹線など10兆円の経済対策。日本国債は世界中のマイナス金利国債の3分の2を占める。待つのは泥沼だ」

と投稿。さらに、

「日本の国債利回りは今月初め、満期が20年近くまでマイナスに転落。日本国債の約87%がマイナス利回りという国債市場麻痺の異常事態」

とつぶやいた。

   以前から、金子教授は日銀の「マイナス金利政策」に懸念を抱いていて、6月19日付のツイッターでも、

「マイナス金利は底なし沼だ。国債消化のためにあてどもなくマイナス金利が進むが、日銀の損失が拡大し、限界が近づいている」

と、指摘していた。

   日銀によるマイナス金利政策の「限界説」は、ここにきて急速に広まっている。

   第一生命経済研究所経済調査部の主任エコノミスト、藤代宏一氏は「おそらく、日銀は想定していたスピードよりも速く、急激に金利が下がってしまったのではないでしょうか。20年物国債の利回りまでマイナスになって、もう一段引き下げても(マイナス金利政策の)効果がもう見込めないのではないか、との見方が広がっていることがあります」と、マイナス金利政策の「出口が見えなくなっている」と指摘している。

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