迷走が続いていた東京都知事選(7月14日告示、31日投開票)の民進党の候補者選びは、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)を推すことでやっと結論が出た。野党4党(民進、共産、社民、生活)も、鳥越氏を「統一候補」として位置づける方針だ。
候補者選びをめぐっては、当初は蓮舫代表代行(48)を推す声もあったが、蓮舫氏は当初の予定通り参院選(7月10日投開票)に出馬。一部では長島昭久・元防衛相(54)を推す声があったものの、長島氏は不出馬を表明した。これに加えて、民進党都連は元経済産業省官僚の古賀茂明氏(60)に出馬を要請したばかりだったが、鳥越氏がほぼ同じタイミングで出馬を決意したといい、民進党は鳥越氏の擁立を決めた。鳥越氏の出馬会見には古賀氏も出席して経緯を説明。ところが、それがかえって民進党の候補者選びの迷走ぶりを印象づける形になった。
民進党が出馬の打診をしたという説は「まったく誤り。事実ではない」
民進党都連の松原仁衆院議員は7月11日、都内で古賀氏と会談して都知事選出馬を要請したが、古賀氏は保留していた。古賀氏の擁立が有力視される中、翌7月12日午後には、鳥越氏が記者会見を開いて正式に出馬を表明した。
鳥越氏は、
「憲法改正が射程に入ってきていることが参院選の中で分かった」
として、7月11日夕方に出馬を決意したと表明。参院選の結果が判明したのは10日夜なので、1日の間に出馬を決心したことになる。鳥越氏が民進党から出馬の打診を受けたという見方には「それはまったく誤り。事実ではない」と反論し、
「私が自分で手を挙げた。私はやりたい(と言った)。そしたらたまたまいろんなルートで4つの野党につながって、『じゃあ支持しましょう』という向こうからのサポートが返ってきたので、『それじゃあお願いします』というのが昨日の夕方のこと」
と説明した。鳥越氏の会見には古賀氏も姿を見せ、
「なんか急に(鳥越氏が)出られるというお話しになったので、『いやいや、それだったら最初の話は、鳥越さんに出ていただくのがいいんじゃないの』ということで、(古賀氏が)松原さんと話をして、そう(古賀氏ではなく鳥越氏が出馬するという結論に)なった」
などと説明した。会見場への古賀氏の唐突な登場には、少しでも「迷走」という印象を和らげる狙いがあるのでは、とみる向きもあり、逆効果だった可能性もある。