「バブルの時に本当に豚そのものになっていた人が...」
手紙はさらに映画の内容を、
「映画のテーマは、美少女でもなく、類稀な心の持ち主でもない、ヒョロヒョロの手足とぶちゃむくれの表情の、まさに等身大の現代っ子が、危機に直面して生きる力を獲得するというものでした」
「10歳の少女が世の中というべき中へ投げ込まれ、修行し、友愛と献身を学び、智恵を発揮して生還する物語」
と説明し、千尋は「『侵食され、喰らい尽くされる』ことなく、『生きる力を獲得する』」人物だが、両親は「『喰らい尽くされる』側になる」存在として描かれているとしている。「バブルの時に本当に豚そのものになっていた人がいて、今でも自分が豚になっていることに気がつかずに、不景気だ、エサが足りないと言い続けているのと同じだ」と、宮崎駿監督は考えていたとも書かれている。
千尋の両親は「バブルの時に本当に豚そのものになっていた人」の象徴だったのか。スタジオジブリに取材すると、「手紙に書いている内容がすべてです。これ以上はすぐにお答えできない」としている。手紙が送られてきたのは、「映画公開して間もない頃か、DVDが出た後だったと思います」。宮崎駿監督が手紙のことを知っているのか尋ねると、「確認できません」と答えた。
J-CASTニュースはツイッターを通して投稿者に取材を申し込んだが、12日12時の時点で返信は来ていない。
こうした投稿者のツイートに対し、ネット上では
「すごいこれ、感動する!」
「ジブリがますます好きになる手紙。作者の思いをここまで入れる作品って、やっぱり日本ならではの文化や思想なんだろうね」
「こんな丁寧な返信をくれるなんて凄いなあ。だから、世界中で愛されているのかな」
という声が寄せられている。