東京都知事選(2016年7月14日告示、31日投開票)への立候補を表明している小池百合子・元防衛相(63)が2016年7月8日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、改めて都知事選への意欲を語った。
だが、その内容は2日前に出馬会見とは一転。フリップまで使って公約として打ち出した都議会の「冒頭解散」にはまったく触れず、女性活躍推進や災害対策など2020年の東京五輪に向けた話題が中心だった。国内向けと外国記者向けとで説明を一変させた。
フリップ持ち出し、英語で説明
小池氏が7月6日に東京・永田町の衆院第1議員会館で開いた会見では、フリップに「冒頭解散」「利権追求チーム」「舛添問題の第三者委員会設置」の3つの公約を掲げた。2日後の特派員協会の会見では20分かけて英語で説明し、フリップも登場したが、その内容は「Diver-City」「Smart City」と一変した。
また、6日の会見では、相当な部分が自民党東京都連や都議会批判にあてられた。特に議会の「冒頭解散」は、都議会側が小池氏に対する不信任案を提出し、可決されることが前提のため、政策としての実現可能性を疑問視する声が相次いでいた。
安倍首相との関係は「That's the politics.(それこそが政治)」
8日の会見では、従来の政策を踏襲する点には言及せず、公約の「冒頭解散」も「封印」。自民党東京都連の推薦を得ないまま出馬に踏み切ったことについて
「私は日本の伝統技術である『根回し』というものは、あまり上手くないと反省しているが、それを超えて私の情熱が強かったことをご理解いただきたい」
と釈明。都連の直接的な批判は避けた。
安倍晋三首相と関係について聞かれて答えたのが、「That's the politics.(それこそが政治)」。小池氏は12年の自民党総裁選で安倍氏に対抗して出馬した石破茂衆院議員を応援しており、安倍首相とのすきま風を印象づけた。