我が家のトイレの便座に立ち、無邪気に遊んでいる風に見える3歳の娘。面白がってその姿をスマートフォンに撮った母親は、悲しい「真相」を知って愕然とした。
娘がやっていたのは遊びではなく、幼稚園で教わった銃乱射事件に遭遇した時の身を守る訓練だった。母親がフェイスブックに投稿した写真が、米国内外に反響を呼んでいる。
銃を持った犯罪者から身を守る練習だった
2016年6月、CNNやABCなど海外メディアが報じた。CNNなどによると、この母親は米ミシガン州トラバースシティに住む育児グッズ販売会社CEO、ステイシー・ワーマン・フィーリーさん。2016年6月、自宅トイレで3歳の娘(名前非公開)が便座の上に立ち、じっとしているので、何かのイタズラと思い、スマホの写真に撮り、夫に送信した。その後、娘に「何をして遊んでいたの?」と聞き、答えを聞いて衝撃を受けた。
娘が通う幼稚園では、「ロックダウン・ドリル」と呼ばれる侵入者対策訓練を行っており、トイレにいる時に銃を持った不審者が侵入した際の避難の仕方を練習していたのだ。便座の上に立っているのは、ドアの下から侵入者が覗き込んだ時に人がいるかどうかわからなくするためだ。米国のトイレのドアは下に10数~20センチほどのすき間がある。米国の学校では、日本の学校で行なう防災訓練のように、犯罪対策訓練が日常的に行なわれる。
シェア4万数千件を超えた投稿
折しも6月12日にフロリダ州オーランドのナイトクラブで、49人が死亡する史上最悪の銃撃事件が起こったばかり。娘の姿に胸を痛めたステイシーさんは6月15日、フェイスブックにこの写真を投稿し、こう訴えた。
「銃規制で100%犯罪がなくなるなんて誰も思っていない。だけど、もし、1%、2%、50%でも抑止できるとしたら? やってみないとわからないじゃない?」
「なぜ、銃を購入する際に身元確認ができないの? 銃登録のデータベースはどこにあるの? 大容量の弾倉を備えた銃が狩猟のために必要なの?」
「起業家のみなさん、発明家のみなさん、私にできることはありませんか? 技術的なアドバイスはできないし、専門知識もない、金銭面での支援もできないけど、正しい方向へ導くことはできるかもしれない。自分の子どもをトイレの上に立たせたくなければ、何かしなければならない」
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