若手評論家の荻上チキ氏(34)の「二重生活」を「週刊文春」がスクープした。本人は生放送のラジオ番組で事情を説明し、謝罪。翌日のブログでもお詫びの言葉をつづった。
日頃の真面目で誠実なイメージとは異なる「別の顔」を晒されてしまった荻上氏だが、ラジオでの釈明後、「ネット言論界」からは熱いエールが送られている。
「ひとえに私自身の浅はかさが引き起こしたこと」
「週刊文春」ウェブ版は2016年7月6日夕、荻上氏が出版社勤務の20代女性と不倫関係になり、奇妙な「一夫二妻」生活を送っていると報じた。妻に離婚を迫る一方、子供たちと過ごしたいとの思いがあり、双方とも別れられないまま自宅近くのマンションで愛人女性と同棲生活をしている...という内容だ。
これを受け、荻上氏は同日夜放送の「荻上チキ・Session-22」(TBSラジオ系)で報道に言及。番組冒頭、「少しお話しておきたいことがあります」と切り出すと、時系列等に事実と異なる部分があるとしながらも、大筋については認めた。その上で
「今回の一件は、ひとえに私自身の浅はかさが引き起こしたことであるということには変わりない」
と釈明し、
「今回の報道によって普段から支えてくれている周囲の方々には、とても多くの心配をおかけしました。そして何より、一連の出来事を通じて家族、相手の女性を深く傷つけてしまったことを心から申し訳なく思っております」
と、謝罪した。7日に更新したブログでも、改めてお詫びの言葉をつづった。
LINEで「すきすきだいすき」...
ラジオやブログで本人が説明した話をまとめると、事が動いたのは2015年夏のこと。友人関係だった女性に好意を抱き、妻に離婚したいと伝えたという。
その後、妻とは別居し、半年以上にわたって離婚協議を続けてきた。別居中は妻の家に通いながら、家事や子どもの世話などをしていたそうだ。一方、女性とは別居後しばらく経ってから交際を開始。同棲を始めた。
だが、離婚協議を進める中で子供との面会回数が限られることや、連れ添ってきた妻と別れるという選択について葛藤したという。荻上氏は悩んだ末に女性との交際を解消。現在では家族の今後について、妻と話し合っている最中とのことだ。
荻上氏は、ニュースサイト「シノドス」など複数のウェブメディアやブログを運営する傍ら、2013年4月からは「Session-22」のメーンパーソナリティーとして活躍している。
16年4月には、優れた放送番組に与えられる「ギャラクシー賞」のラジオ部門でDJパーソナリティ賞を受賞したばかりだ。テレビへの出演も多く、気鋭の論客として知られる。
一方、7月7日発売(首都圏など)の「週刊文春」には、笑顔でウインクする荻上氏が写ったツーショットや、「すきすきだいすき」といったLINEのやりとりが掲載されており、普段の真面目な印象とは異なる「別の顔」が報じられている。ネット上では、ショックを受けるリスナーの声も散見される。
水道橋博士「身を切るような功績」「追撃展開にはならない」
ただ、同じ言論界や文化人からは次々と応援メッセージが送られている。
コメンテーターとしても活躍する水道橋博士さんは6日夜、ツイッターで「荻上チキのスキャンダルを追撃するような展開にはまずならない」と指摘。
「荻上チキに関して仕事仲間からのタレコミや苦情もないよ。むしろ、身を切るようなその功績の方が余りあるもの」「毎日、毎日、ラジオをつけるたび、なんという自ら汗をかき誠実な社会への向き合い方かとまっとうなリスナーなら思うよ。プライベートは誰しもが、もろもろの問題を持つよ」
と擁護した。
アイドル評論家の中森明夫氏も6日夜、「荻上チキさんの冒頭の釈明、誠実なものを感じた」として「がんばってほしい」とツイート。
評論家で千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏も7日、「チキさんは、みんなから愛されているってことだよ そして人間だ 僕は荻上チキ、Session-22、シノドスを応援するし、信じるよ」とエールを送った。
東浩紀氏は「擁護」の姿勢はとらないまでも、「しかし、ほんとに世の中不倫が大好きになったな。むかしは、こんなの業界の噂話で笑い話で終わってたのになあ」「常識的にはこの釈明で終わりだと思うが、最近の週刊誌とネットはなに考えているかわからないからなあ」などとツイートした。
荻上氏と同じく、世の中的に誠実なイメージが定着していた作家の乙武洋匡氏(40)は「週刊新潮」による不倫報道後、表舞台から消えてしまった。ただ、TBSラジオの入江清彦社長は6日に行われた定例会見で、報道内容だけを受けての番組降板は考えていない、と語ったと一部で報じられている。