【主治医が見つかる診療所】(テレビ東京)2016年6月20日放送
「芸能人徹底検査!人間ドックSP 第15弾」
「ブサイク芸人」として知られる、お笑いコンビ・フットボールアワーの岩尾望(40)。「顔はブサイクでも、体の中はキレイでありたい」と自分なりに生活に気を使っていて、健康に不安は感じていないという。
ところが番組で人間ドックを実施したところ、本人も予想だにしない病気が発覚した。
一晩で2リットルの飲酒習慣
岩尾がほぼ毎日食べている朝食は、オートミールにグラノーラ、チアシードに牛乳をかけたもの。耳慣れない食材ばかりだという人がいるかもしれないが、いずれも健康や美容に効果が高いといわれ、ハリウッドセレブにも注目されているスーパーフードだ。
さらに毎日朝と晩の2回、愛犬・つくしちゃんの散歩で1時間ほど歩いている。ここまではなかなか健康的な生活だ。
ある日の夕食は、サラダにもつ煮込み、唐揚げで、全てコンビニで調達したという。朝食以外はほぼ毎日コンビニで買って済ませているが、健康に気を使い、野菜をなるべく多くとっているそう。
夕食のおともには必ずビールを飲む。毎日500ミリリットル缶を3本、さらにレモンサワーなど他の酒も合わせ、一晩で2リットル近く飲んでいるとか。
そんな岩尾に見つかった病気は「アルコール性肝障害」。
血液検査の結果、アルコールなどで肝臓が壊れた時に血液中に流れ出る酵素で、数値が大きいと肝臓がよりダメージを受けていることを示す「γ(ガンマ)-GTP」が、基準値が50以下のところ、岩尾は144と、3倍近くもオーバーしていた。
肝臓などの臓器に貯蔵された鉄分で、血液中に流れ出した量が多いほど肝臓の組織が破壊されていることを表す「フェリチン」は、基準値261以下のところ342と、こちらもオーバーしていた。
さらに腹部CT検査でも脂肪肝が発覚し、確実に肝臓が蝕まれていると明らかになってしまった。
肝臓にダメージを与えず酒を楽しむには
そもそも肝臓は、体内に吸収された有害な物質を分解し、無害なものへ作りかえる働きをしている。
岩尾の場合、日々大量のアルコールを摂取することで、肝臓が処理できる能力を超えるほど多くの有害物質が運ばれている。それがどんどん肝臓にたまり、障害が起きてしまったのだ。
肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、機能がおよそ8割低下するまで自覚症状が起きにくく、気付いた時には手遅れになっていることも多い。アルコール性肝障害を放置すると肝硬変に、さらに進行すると肝臓がんになる可能性もある。
これまでの研究では、日本酒換算で3合、ビールでは中ビン3本を毎日飲んでいると、5年ほどで脂肪肝に。日本酒を3~5合、あるいはビール中ビンを3~5本を20年間毎日飲むと、肝硬変になるリスクも上がると言われている(女性はこの半分量)。
岩尾は、酒量を減らして休肝日を作り、血液検査の数値を経過観察するよう勧められた。
そしがや大蔵クリニック・中山久徳院長「私もお酒が好きで、岩尾さんほどではないがγ-GTPが高かったことがあり、休肝日を作った。2日連続の休肝日を作って数週間続けたらすぐにγ-GTPが正常範囲に下がった。『この程度の休肝日を作ればそれほど肝臓にダメージを与えずお酒を楽しめる』とわかるので、休肝日を作ることから始めてみるといい」
岩尾「つくしのために長生きしないといけない。ビールがなくなってもつくしさえ残れば...」