34歳の禁煙で10年、44歳で9年、54歳で6年寿命が伸びる
もう1つの研究は、英医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」(電子版)の2013年1月24日号に発表された。研究では、米国健康調査に登録されている25歳以上の男女約20万2000人のデータを対象に、喫煙歴および禁煙歴と死亡率(平均余命)の関連を調査した。
その結果、次のことがわかった。
(1)まず、男女とも、喫煙者はタバコをまったく吸わない人に比べ、平均余命が10年以上短くなる。タバコをまったく吸わない人は、80歳まで長生きする確率が喫煙者の2倍になる。
(2)しかし、禁煙すると平均余命を伸ばすことができる。重要なことは、禁煙開始年齢が若ければ若いほど平均余命が長くなることだ。
(3)その割合は、喫煙を続けた人に比べ、25~34歳で禁煙した人は平均余命が10年長くなり、35~44歳で禁煙した人は9年、45~54歳で禁煙した人は6年、55~64歳で禁煙した人は4年長くなる。
つまり、34歳までに禁煙すると、まったく吸わない人とほぼ同じに、44歳までに禁煙すると、1年程度しか違わないほど平均余命が回復するのだ。
研究チームのプラブハット・ジャハ博士は「40歳前後までに禁煙すれば、それまでの喫煙で失われた寿命をほぼ取り戻すことができるのです。なるべく早く禁煙を始めましょう」と語っている。