「選挙に行くとエロゲが安くなる!」――参院選を数日後に控え、札幌市の「エロゲ」販売店がこんな割引キャンペーンを打ち出した。
「エロゲ」とは、パソコン等でプレーできる「18禁」の成人向けゲームを指す。割引対象商品は成人向けゲームだけでなく、全年齢向けのソフトやアニメDVDも含まれるというが、「エロゲ」と選挙をからめた斬新なキャンペーンはどうやって生まれたのか。店長に聞いた。
「投票証明書」あれば1000円引きも
札幌市内中心部に店舗を構える「パソコンショップMK」には、市内、市外から多くの愛好家が集まる。パソコンソフトやアニメDVDが所せましと置かれた店内の様子は壮観だ。
商品の割引は2016年7月10日に投開票される参院選の投票会場で「投票会場に来たことを証明する用紙」(投票証明書)を会場係員に発行してもらい、それを同店に持ち込むと適用される。500円から1000円の商品は半額、1001円から5000円の商品は500円引き、5001円以上の商品は1000円引きとなる。キャンペーン期間は選挙当日の10日から15日まで。期日前投票での投票証明書も有効だ。
同店の店長はキャンペーン実施の理由について、
「うちのお客様世代に選挙へ行ってもらうためです」
ときっぱり。そのうえで、
「政治の話はネットでたくさん聞きますが、不思議と投票率は下がっています。若い人の投票率が下がると、表現規制をしようとする人がどんどん政治に関わってしまう。投票のインセンティブはもっと増やしていい」
同じようなキャンペーンは今回で4回目。これまで国政選挙のたびに実施してきた。内容は、ドラッグストアチェーン「マツモトキヨシ」の創業者、松本清氏(故人)が千葉県の松戸市長時代(1969~1973)に実施した投票整理券を用いるくじを参考にしたという。
「今、エロゲを売っている店は大きなチェーンがほとんどです。個人経営の店でないと、こういうキャンペーンはやりづらいでしょう」
一方で、今回はちょっと事情が変わった。投票権が18歳以上に下がったため、客の中に18歳の人も含まれることになる。「18禁」は「18歳未満販売禁止」で、18歳なら買えるのだが、業界の取り決めで、「全日制高校に通う生徒は18歳以上でも成人向けゲームを購入できない」からだ。このため、今回は高校生には「18禁」以外の商品を買ってもらうことになる。
同店にある18禁ゲームの在庫は2万本。国会でもたびたび議論となる二次元コンテンツの表現規制は「エロゲ」を販売する業者にとって深刻な問題だ。
「急に法律が変わって『(エロゲを)捨ててくれ』なんて言われても困ります」
公示日から「待ってました」と問い合わせ
キャンペーン時の売れ行きについて聞くと、
「セールを狙ってまとめ買いするお客様が多いですね。今回は、選挙の公示日から『待ってました』とばかりに問い合わせがありました」
と答えた。やはり売り上げ増につながっているようだ。
どのようなゲームが売れるのだろうか。
「キャンペーン開催時とそれ以外で、売れるジャンルに大きな違いはありません。普段から人気の高いジャンルが売れています」
最後に、今人気の高い「エロゲ」のジャンルを聞いてみた。
「昔は、かわいらしいキャラクターや泣けるシーンがあってエロ要素の薄い作品と性描写がどぎつい作品に人気が2極化していました。しかし、今はかわいらしいキャラがどぎついことをする、双方の要素を含んだ『萌えエロ系』と呼ばれる作品が流行りです」