「子供のために」
一般に、自転車保険には運転する人自身のケガを補償する傷害保険と、他人にケガを負わせたり、モノを壊したりした時の損害賠償に備える個人賠償責任保険をあわせた商品、また被害者との交渉や書面のやり取りを代行するサービスなどがあり、取り扱っている損害保険会社によって商品性や契約の仕方(自動車保険や火災保険傷害保険の特約で付帯する保険契約や、家族が契約している保険)が異なる。
自転車保険の加入状況について、三井住友火災海上保険は「自転車保険への加入は増加傾向にあります。主に30~40代。『子供のために』と言って加入される人が多いですね」と話す。また、最近はロードバイクなどに乗ってサイクリングで楽しむ人が増えており、そういった人の加入も少なくないという。
大阪府では、三井住友海上のほか、東京海上日動火災保険や損害保険ジャパン日本興亜、au損害保険、AIU損害保険などと協定を結び、「おおさか自転車ほけん」を取り扱う。ただ、自転車保険への加入には、自転車の点検整備を受けたときに付いてくるTSマーク(自転車の車体)に付帯する保険や共済などへの加入でも「問題はない」としている。
一方、兵庫県や大阪府が実施に踏み切った自転車保険の加入義務化は、他の自治体に広がりそう。大阪府は、「(自転車保険の加入義務化について)視察を含め、多くの問い合わせをいただいています」と話し、各自治体の関心の高さをうかがわせる。
現在、保険加入の義務付ける条例については滋賀県が10月1日からの施行が決まっている。また、東京都や埼玉県、名古屋市などが、保険加入を「努力義務」としているほか、横浜市のように団体保険を用意して加入を促しているケースもある。