無料なはずの救急車で支払い請求 搬送中の車内で何が起こったか

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「蚊に刺された」「日焼けした」で呼ばないで

   一方で、救急車の利用自体を有料化しようとの議論もある。財務省の財政制度等審議会が2015年5月、「軽症なら有料化すべきではないか」と財務相に提言した。救急車の出動件数は増加を続けており、2013年は過去最多の591万件。半数が軽症者だった。患者最寄りの消防署にある救急車が軽症者の搬送に追われると、重症者への初動対応が遅れる可能性があると指摘されている。そのため、有料化して不要不急の救急車の出動を減らそうというのだ。

   ただ、前出の消防庁担当者は「有料化の前にやることがある」として、「救急車の適正利用を促しています」と話した。同庁はウェブサイトで「救急車利用マニュアル」を公開し、119番通報の際のポイントを説明している。

   たとえば、「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」としては「意識の障害」「大量出血」「食べ物をのどにつまらせた」がある。逆に「本当に(救急車が)必要か考えてみましょう」として、「蚊に刺されてかゆい」「海水浴に行って、日焼けした足がヒリヒリする」「病院で待つのが面倒なので」といった、過去実際にあった事例も記載している。

   海外では、救急車を有料化している国や都市がある。外務省のウェブサイトによると、米ニューヨークでは600ドル(約6万円)。フランスでは基本料金60ユーロ(約6800円)に、移送距離1キロごとに2ユーロ(約230円)が上乗せされる。

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