中国人の「爆買い」失速 百貨店は「冷や汗」状態か

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   中国人観光客が百貨店で時計やバッグなどを大量に買い込む「爆買い」の動きに変化が表れつつある。日本百貨店協会によれば、2016年5月の全国の百貨店の免税品の総売上高は前年同月比16.6%減の約134億円と、4月に続き2か月連続でマイナスに陥るなど、失速の気配が濃厚で、百貨店などは懸念を強めている。

   同協会によれば、全国百貨店の免税品売上高は4月が同9.3%減と、2013年1月以来、3年3か月ぶりに前年実績を下回った。このため、続く5月の動向に注目が集まっていたが、下げ幅はさらに拡大する結果になった。

  • 中国人観光客は以前と比べ、高額品を買わなくなっている(写真はイメージ)
    中国人観光客は以前と比べ、高額品を買わなくなっている(写真はイメージ)
  • 中国人観光客は以前と比べ、高額品を買わなくなっている(写真はイメージ)

中国での関税引き上げの影響

   免税品購買客数で見れば、5月は同12.7%増の約23万人と、40か月連続で前年を上回り、客数は好調を維持している。しかし、1人当たりの購買単価が同26.0%減の約5万7000円と大幅に落ち込んだ結果、売り上げ減につながったといえる。

   購買単価下落の大きな背景は、時計やバッグ、宝飾品などの高額品が売れなくなっていることだ。5月の化粧品や食品などの消耗品の売上高は同44.7%増と大幅に伸びたのに対し、時計などの一般物品は29.8%減と大きく落ち込んだ。実際、同協会が発表している「外国人観光客に人気のあった商品・ベスト5」を見ると、「ハイエンド(高級)ブランド」は3月まで約1年半にわたり、ほぼ1位をキープしていたが、4月は一気にランク外に落ちた。5月はなんとか2位まで再浮上したものの、1位の化粧品には及ばない状況だ。

   流通業界関係者によれば、中国人観光客らの買い物動向に変化が生じている理由の一つは、中国政府が国内での消費を促すため、海外で購入した商品にかける関税を引き上げたことが大きい。さらに、外国為替市場で円高・元安が進んだことや、中国国内の経済状況が悪化していることも響いているとみられる。

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