政見放送中は地震速報流せない? NHK、東京で震度3の速報「後回し」

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   東京で震度3の地震が起きたとき、NHKは政見放送中で地震速報をすぐに出さずに、1回だけテロップで流しただけだった。公選法の制約があるようだが、ネット上では、なんとかならないのかとの声も出ている。

   「地震でガチの悲鳴あげたの初めてだ」「ズドンと来たからTV点けた」。2016年6月30日22時54分に、東京都23区内を震源とする地震が起きたとき、ツイッターでは次々にこんな声が書き込まれた。

  • すぐ地震速報を流さないNHKに疑問も
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Eテレでは、すぐに速報流れ、4回も繰り返される

   この地震で、練馬区で震度3、都内を中心に震度1~2を観測した。震源の深さは30キロ、マグニチュードは3.4と推定された。

   ちょうどこのとき、NHKの総合テレビでは、公選法に基づく参院選比例代表の共産党の政見放送を流していた。しかし、すぐに地震速報は出ず、放送が終わるころにやっとテロップが出た。それも、画面右側に縦長で表示された。

   テロップは、自民党の政見放送冒頭にも重なり、地域情報は「震度3 東京練馬区」だけで終わった。速報は繰り返されず、1回しか流れなかった。

   地震について詳しく伝えたのは、11時17分から始まった「ニュースチェック11」だった。

   一方、NHKのEテレでは、ちょうど「おとなの基礎英語」の時間だったが、地震発生直後にテロップが画面上部に大きく出た。「震度3 東京23区」から始まって、「震度3 東京練馬区」となるまで、計4回も速報が繰り返された。

   民放キー局の各番組を見ても、地震発生直後にテロップが画面上部に大きく出て、ほとんどが2回ぐらいは速報を流していた。

   政見放送中とはいえ、公共放送のNHKですぐに地震速報を見られなかったことについて、ツイッターなどでは不満の声も相次いだ。

   「地震情報のためにNHKつけたら政見放送で萎えた」「地震情報より政見放送は優先されるのか」「縦書きの地震テロップとか初めて見たぞ」...

「地震の規模など、様々な要素を総合的に見て判断」

   しかし、過去には、政見放送中に地震が起きて、NHK総合テレビの放送が中断されたこともある。

   2012年12月7日の三陸沖地震が起きたのは総選挙期間中で、ちょうど旧みんなの党の政見放送のときに緊急地震速報が流れた。最大震度5弱以上の予想で自動的に流れるようになっており、このときは5弱だった。関連ニュースもその後流された。これを受けて、総務省がみんなの党と旧日本維新の会のやり直しを決め、14日に改めて放送された。

   NHKの広報局では16年7月1日、「大きな地震の情報など人命にかかわる緊急かつ重要なニュースは、放送の途中でも中断して伝えることは公共放送として当然の責務だと考えています」とJ-CASTニュースの取材に答えた。

   一方、地震速報が遅れ、1回しか流れなかったことについては、次のように説明した。

   「テロップの伝え方や放送を中断して伝えるかについては、地震の規模など、様々な要素を総合的に見て判断しています。国民の生命と財産を守るという公共放送としての役割を踏まえながら、政見放送の重要性を十分に認識し対応しています」

   なお、テロップを画面右側に縦長で表示するのは、画面上部に横長で表示すると、テロップが候補者らの頭の部分にかかってしまうことなどからだという。

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