「月々1万6000円、20年やればいいんでしょ?頑張れば返せそうだけど」――。タレントの神田うのさん(41)が、奨学金問題をめぐって展開した「自己責任論」が、ネット上で物議を醸している。
神田さんの持論に対し、ネット上では「借りたものを返すのはあたりまえ」として「正論」と取る向きもあれば、「生まれてこのかたお金に困った事がないヤツに言われても」と反発する声も目立ち、賛否が広がっている。
「自分で借りてるわけだから、ちゃんとお返ししないと」
奨学金をめぐる神田さんの発言は、2016年6月30日放送の情報番組「ノンストップ」(フジテレビ系)で飛び出した。番組では「若者が破産...『奨学金制度』のゲンジツ」と題し、奨学金の返済を滞納し、自己破産に追い込まれる若者が急増しているという問題を特集した。
その一例として、在学中に月8万円の奨学金を受け取っていた男性のケースが紹介された。この男性は、卒業から半年後に月あたり約1万6000円の返済が始まったが、徐々に返済が滞る状況に。その後、返済を求める連絡が職場にまで及ぶようになり、会社からの信用はガタ落ち。さらには裁判所からの督促状も届くなど、軽い気持ちで借りた奨学金に後悔する若者の姿が再現VTRで取り上げられた。
コメンテーターとして番組に出演していた神田さんはVTRの終了後、画面がスタジオに戻るやいなや、「(世間を)甘く見てますよね」とピシャリ。「自分で借りてるわけだから、ちゃんとお返ししないと」と続け、「自己責任論」を展開した。
番組出演者からは「奨学金には借金しているって感覚がないのかも」と擁護する声が飛んだが、神田さんは「う~ん」と納得いかない様子。さらには、
「月々8万円も借りてたわけだから・・・。それが月1万6000円、20年やればいいんでしょ?頑張れば返せそうだけど」
との発言も飛び出した。続けて、「1万6000円でしょ?飲みに行かなければいいんだ、飲み代を削ろう!」といった「返済法」も提案していた。
「マリー・アントワネットみたい」
奨学金の返済に苦しむ若者を「自己責任」と切って捨てた神田さんの発言に対し、ツイッターやネット掲示板では、
「借りたものを返すのは当たり前のこと」
「完全に正論。返せないのは金を借りといてまともな生活基盤が作れなかった自己責任」
と同調する声が出ている。だが一方で、「問題の本質はそこじゃない」と指摘するユーザーも少なくなく、
「借りる時と返済の状況が違うのわかってますか?」
「頑張ってもどうにもならないから社会問題になるのであり、根本的な理解が欠如している」
と否定的な意見も上がっている。
さらには、神田さんの「庶民とは違う金銭感覚」を引き合いに、「コメントする立場にない」と批判する声も目立った。社長夫人の神田さんは、バラエティー番組などでも「セレブ妻」という立ち位置が定着。最近では、雇用していたベビーシッターの女性に高級バッグやジュエリーなど約3000万円分を窃盗された事件をきっかけに、その浮世離れした生活に注目が集まったばかり。
そのため、一部のネットユーザーからは「生まれてこのかたお金に困った事がないヤツに言われても」「月1万6000円の負担がどれだけのものかって想像できないんだろう」との批判が噴出。なかには、「マリー・アントワネットみたいなこと言ってんな」との呟きも漏れていた。