東海ラジオの人気番組「宮地佑紀生の聞いてみや~ち」の生放送中に起きた「傷害事件」はあまりに不可解だ。逮捕されたパーソナリティーの宮地佑紀生容疑者(67)は、共演していた被害女性の番組進行に不満をもったため、暴行を加えたとみられている。
ただ、実際のやり取りを聞くかぎり、それほど激高する問題があったとは思えない。真相は未だ明らかになっていないが、1つの可能性として更年期障害などの影響を指摘する声も上がっている。
「年下の兄貴」として慕っていた
逮捕容疑は2016年6月27日14時55分ごろ、「聞いてみや~ち」生放送中に共演する神野三枝さん(50)の左ひざを数回蹴った上、マイクで唇を殴り、全治約10日間のけがを負わせた、というもの。30日、傷害の疑いで愛知県警に逮捕された。
複数の報道によると、神野さんは「日頃から威圧的な態度をとられることがあったが、暴力をうけたのは初めてだった」と話しているという。宮地容疑者も「間違いありません」と容疑を認めているそうだ。
暴力行為があったとみられるのは、神野さんが、番組プレゼントに当選したリスナーから届いたお礼のハガキを読み上げた後のこと。「痛い痛い。え?何?え?何ですか?」。神野さんは蹴られたのか、突然痛みを訴えた。
その後も戸惑いながら番組を進行したのだが、今度は「ドコドコッ」とマイクが何かに強く当たる音とともに、神野さんの「いてっ!」という声。直後、「なんです!?なんです...?ごめんなさい」という弱々しい声が聞こえた。
問題場面の放送を聞くかぎりは、当選リスナーがラジオ局にお土産(お菓子)を持ってきたことを神野さんが話したことについて怒り、手を出してしまった――とも受け取れる。
一方、リスナーの間では、今回のプレゼントが歌手の松山千春さん(60)から提供されたものであることが関係している、との見方が出ている。松山さんと宮地容疑者は親交が深く、宮地容疑者が松山さんを「年下の兄貴」として慕っている。そのため、神野さんの話の中で松山さんのプレゼントがおざなりに扱われたと感じて腹を立てた――というのが一部リスナーらの見立てだ。
真相は本人が明らかにしない以上は分からないが、神野さんが生放送中に暴力をふるわれるほどの失言をしたとは到底考えられない。
数年前から「不和」指摘するリスナーも
1997年の番組スタート以来、20年近くタッグを組んできた2人。まるで夫婦漫才のようなやりとりが人気を博し、地元の人々に愛されてきた。
宮地容疑者の所属事務所は7月1日、J-CASTニュースの取材に
「逮捕については東海ラジオの発表で知った。本人と連絡がとれておらず、何も把握していないが、事実であれば申し訳ない」(担当者)
とコメント。その上で2人の関係については「良好だった」と話す。
「ラジオのやりとりと同じで、夫婦みたいなイメージ。月に1回はプライベートでも食事をしていたはず。仲のいいものと思っていた」
ただ、ここ数年は不和を感じていたリスナーもいたようだ。ネット上にはこんな声が上がっている。
「時たま険悪なムードが分かるような時もありました」
「番組を聴いていて、(宮路容疑者が)傲慢だったり、キツイ言い方だったり、相手を見下したり。ここ2・3年ヒドク感じた」
また、神野さんと親交があるラジオDJの水野紅子さんは30日、
「何年も前からいつかこーなるって彼女自身が心配していた」「今までもそうだったけど今回もなんの脈絡もなく突然きれられた」
とツイッターで明かした(現在は削除)。周囲には宮地容疑者との関係についての悩みを打ち明けていたようだ。
コントロールがきかなくなったのはなぜか
ただ、生放送中に突然、暴力行為に及ぶという行動については、別の可能性を指摘する声も上がっている。
6月30日放送の「情報ライブ!ミヤネ屋」では、女優のRIKACOさん(50)が更年期障害の可能性に言及した。
「普段はすごく冷静だったりしても、その時のコントロールがきかないで、もう突然そういうことになってしまうとか...」
と話すと、司会の宮根誠司さん(53)も「ということしか、僕もね(考えられない)。ふとそういう事を考えた」と同意。通常であれば、何かあったとしてもCM中に言うのではないかと指摘した。
7月1日には「とくダネ!」(フジテレビ系)で、司会の小倉智昭さん(69)も「精神的に不安定だとかあったんじゃないかと思いますよね」と困った表情を浮かべた。
更年期障害というと女性の病気というイメージが強いが、男性にも存在する。男性ホルモンの低下や加齢によって起こり、集中力の低下や不眠、ささいなことで周囲に当たってしまうなど、さまざまな症状が出てくる。宮地容疑者は現在67歳。年齢的に考えればあり得る話ではある。
ただ、所属事務所によれば、精神的に不安定だったという話や、更年期障害などの病気に悩んでいるという話は「特に聞いていない」とのこと。薬の服用や通院もないそうだ。
「年齢的なことを考え、事務所としては無理をさせないよう、本人のやりたいことをサポートする形でやってきた。事務所との関係も良好だった」(担当者)
といい、事務所側も突然の出来事に困惑を隠せない様子だった。